ユノは帰宅して夕食もそこそこに書斎に篭もった。

忘れないうちに調べようと思っていたのだ。

机の上に写真を並べてみる。


ヒチョリヒョンみたいにはできないけど、俺だって少しは追跡できるぞ!これでも族長の直系の血筋だからな!


ん!と口を結んで写真を睨みつけると、それぞれの写真に写っている宝石が形を変え始める。

ネックレスの全体像も浮かび上がって、形が鮮明になったところで集中力が途切れてしまった。

「ふぁぁ」

ぐったりして椅子の背もたれに寄りかかると、尻尾が出ていることに気が付いた。

「あ、尻尾出ちゃった。」

しかし、今は書斎で一人きりなので慌てることもなく、そしてその大きな尻尾を引っ込めようともせずにいた。

背もたれの間から伸びている真っ白な尻尾は、ユノの思考に合わせるかのように大きくユラユラと動く。

「一粒足りない。…王家の所有とかではなさそうなんだよな。大きなトップが付いているわけでもないし、豪華な装飾が施されているわけでもない。」

うーん、とユノは腕を組んで机の上に並べた写真を見つめた。

きっとMAXはこのダイヤモンドの出処が分かっているんだ。

大きさがまちまちで世間に知られているわけでもないのにターゲットになるということはそういうことだ。

もう一度盗まれたダイヤモンドの所有者を調べてみるか。

ユノは別のフォルダを開いた。


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