ソウルからチャンスニの製菓道具が追加で届いた。
開封して一つずつ確認している様子は以前のチャンスニそのものだ。
「ヒチョルさんとこのオーダーはいつ作るの?」
「そうね。道具が届いたから明日作って明後日に納品の予定かな。」
チャンスニがヒチョルさんのオーダーに選んだのはアイシングクッキーだった。
「イベントの前後に来店したお客さんに配るということだから、こういうのがいいと思うわ。」
デザインの打ち合わせも済んでいて、あとは道具待ちだったんだ。
僕はあることを思いついた。
「スニちゃん、クッキー作ってるとこ撮ってもいい?」
「いいわよ。」
製菓道具をキッチンに収めている姿はキビキビとしていて、もう完治したようにも見える。
朝起きると、既に朝食の用意ができていて髪を綺麗にまとめ上げているチャンスニがいた。
「スニちゃん…」
「おはよう。悪いけど、早く目を覚ましてご飯食べて。」
あ、このテーブルを使いたいのか。
「ん。」
顔を洗ってダイニングに戻ってくると、白飯に青菜のチゲがよそわれていて、湯気が僕の胃袋を刺激した。
「やっぱり朝は米よね。」
スニちゃんは、子供の頃からイベントのある朝はモリモリ食べる人だった。
今朝だってご飯は大盛りだ。
ハムスターのようにご飯を頬張ってモグモグと咀嚼している。
「スニちゃん、朝からそんなに大盛りでお腹びっくりするんじゃないの?」
「今朝はこういう気分なのよ。それにしっかり食べとかないと身体も頭も動かないわ。」
あっという間にバクバクと朝食をたいらげ、温かいコーン茶をすすり始めた。
このテンション、ヤバいんじゃないか?
目を離さないほうがいいかも。
写真撮らしてくれって頼んどいてよかったな。