<やっと己の罪に気付いたようだね>
≪そうでないと困るけれど≫
太陽の神と月の神は懐中時計を手にしながら下界を眺めている。
退廃はますます進み、まるでソドムとゴモラの都市のようだ。
神は溜め息をつく。
あの美しかった国は、世の中の闇の部分を浮き彫りにして見るも無惨。
<どうする?全てを洗い流して最初からやり直す?硫黄と火を降らせてもいいけど>
≪君が望むなら、と言いたいところだけど、混沌からやり直すのはちょっと難儀だし、塩の柱はいらないよ≫
<では、彼らにやり直しをさせよう>
≪彼らにできるだろうか≫
<できるさ>
二人の神は、手の中の懐中時計を握りしめた。
もうじき日蝕が起こる。
神は、この時を【やり直し】の始まりにすることにした。