何故、俺はここにいるんだ。

彼を想う度に腕の傷が疼くように痛む。

美しく平和な国を象徴する美しい王。

俺はあの人のために一生を捧げようと誓ったはずなのに。

気がつけば、俺とあの人は寝所の天蓋の下で一緒にいた。

自分が止められなかった。

少しの間も離れているのが辛くて。

あの人も同じ気持ちだと言ってくれた。

幸せだった。


何か分からない衝撃が俺たちを襲って、気がついたらここにいた。

見上げると空が見える。

囲う網はないから出られるはずだが、床を満たす水が身体に絡み付いて立ち上がることもできない。

何も食べず、飲まずにいるのに、空腹感も感じない。

ここは牢だ。

では何故、俺は牢に入れられている?

何の罪だ?

くる日もくる日も空を見上げるだけ。

あの人はどこにいるんだ。

まさか、あの人もどこかに囚われているのか?

俺はこの国を、あの人を守らなければならないのに。







悲鳴?

誰が悲鳴をあげている?

何が起こってる?