一夜明けて。
初めての長旅で疲れていたはずなのに、ドンジュは朝早くに目が覚めました。
なぜなら、中庭から話し声が聞こえているからです。
カーテンを少しだけ開けて中庭を覗いてみると、シウォンが使い龍ヒチョルと話していました。
『くれぐれもよろしく頼んだぞ。』
『お二人に会って行かれないのですか?』
『どうせ、今日こっちに来るからいい。』
『そうですか。』
『お、双子がそろそろ起きるぞ。俺様は退散する。じゃあな。』
『お気をつけて。』
飛び立つヒチョルを見送っていたシウォンは、ドンジュたちがいる部屋の向かい側の建物へ入っていきました。
僕たちは、いろんな人たちに見守られているんだ。
なんだか嬉しくなって、ドフンを起こします。
「う…んんん…なに~?」
「ドフン、朝だよ。起きようよ。」
「…もうちょっと…」
モソモソと寝返りをうち、向こう側を向いてしまいました。
「早く起きたほうが朝ごはん美味しいのに。」
ドンジュはカーテンを全開にして、窓も開けました。
改めて中庭を見ると、芝生がとても綺麗です。
「手入れがいいんだな。」
その芝生をぐるりと囲む建物は、なんとなく自分達の国を思わせる雰囲気ですが、やはり、凝った造りのように見えました。
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