国境を越えて、夕焼けで辺りがオレンジ色に染まる中、東の国へ到着しました。

この国は王制ではなく、国とはいってもいくつもの自治体が集まった集合体で、カーニバルだけ国全体で催されているのです。

なので、この時期の東の国はどこもかしこもお祭りムード。

基本的に『おもてなし』が好きという民族性もあって、プラットホームもお祭りムード満載でした。

下車した西の国一行は、駅の雰囲気に圧倒されています。


「すごいね。」

「うん。」

ほぼ満員だった汽車の乗客殆どがここで降りたのです。

改札広場は大勢の人でごった返しています。

プラカードを掲げている人が何人もいました。

≪お迎えと合流できた方は速やかに移動なさってください。≫

≪迷子のお知らせです。北の国から到着したドゥジュンくんがお母さんを探しています。ドゥジュンくんのお母さん、改札前の案内所へ来て下さい。≫

≪そろそろ北回りの汽車が到着します。お迎えと合流できた方は速やかに移動なさってください。≫

広場にはアナウンスが響き渡っています。


「ねえ、僕らのお迎えは?」

「もしかして自力?」

ドフンがワクワクしながらきくと、護衛のCQが半分呆れたような顔をしました。

「そんなわけないでしょう。今こちらに向かって歩いてきてますよ。…あ、こっちです!」





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