「「いってきまーす!」」
双子を乗せた馬車が城を出発しました。
東西の神獣を巻き込んで少しゴタゴタした今回の双子の旅ですが、きちんと鉄道を使うということでおさまり、出発の日を迎えたのです。
王子の旅なので護衛もつきます。
今回双子の護衛として、城一番の巨漢のCQが同行することになり、双子は頼もしく感じています。
他にも数名の召し使いが同行しています。
「ねえねえ、みんなは列車に乗ったことは?」
ドンジュが周りの護衛たちに話しかけました。
「皆ありますよ。城に仕えている者は全員。」
「そうなの?」
「義務なんですよ。」
そう。
王族だから、そして城に仕えているから世間を知らないということは、あってはならないというのが代々の王の考えなので。
「そうなんだー」
「なので、道中のことは我々にお任せあれ。」
「「うん」」
駅舎に到着して、すれ違う人々から「行ってらっしゃい」と声をかけられ、双子たちは手を振ったり会釈をしたりして応えながら列車に乗り込みました。
ドフンが窓から顔を出すと、別れを惜しむ様子や笑顔で見送る様子など、いろいろな光景が見えました。
「列車に乗る理由は、皆、それぞれです。」
ドフンの後ろから、CQが話します。
「僕らのような旅をする人もいるかな。」
「いるかも知れませんね。」
双子たちを乗せた列車は北駅に向かって出発しました。
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