ビックリして、その場にいる全員がチャンミンを見ています。

「今回の旅は、世間を知るという意味もあるんです。こういうことでもないと鉄道を利用することも、この国を出ることもありません。社会勉強なんです。それなのに、神獣の背中に乗って移動なんて、とんでもありません。どうしても背中に乗せたいと仰るのなら、この旅の話は白紙です。」

「「ええ~、そんなのやだよー」」

双子が口を揃えて言います。

楽しみにしているのです。


言いたいことを吐き出してスッキリしたチャンミンは、冷めかけたお茶を一揆に飲み干しました。


ごほん。

咳払いをひとつして、ユノ王が喋りだしました。

「チャンミンの言うとおり、今回の旅は二人の社会勉強の意味合いが強い。鉄道使うことも勉強の一つなんだ。だから、今回は遠慮していただけないだろうか?」


ユンとホジュンは、ガックリと項垂れています。

「お二人がそこまで言うのなら…」

「僕も…」

シュンとしてしまった二人に、ドフンとドンジュが話しかけます。

「ホジュン様、お土産持ってくるから。」

「ユン様もね。」

ユンとホジュンはうんうんと頷きながら、双子の話を聞いていました。


その様子を見ながら、チャンミンは皆に気付かれないようにため息をつきました。

まったくもう、龍も白虎も子供たちに甘すぎる。

この子達のどちらかが次の国王になるんだから、いつまでもぬるま湯ではダメなのに。


「チャンミン。」

声の方を向くと、ユノ王の指がチャンミンの眉間にピタッとつきました。

「?」

「険しい顔をしているぞ。お茶の時間には相応しくないな。」

チャンミンが「あっ」と自分の手で眉間を押さえます。


それを見ていたヒチョルが、ユンとホジュンに声をかけました。

「ユノとチャンミンがいちゃつきだしたから、そろそろ失礼するぞ。」



ニヤニヤしている双子と、真っ赤な顔をしたチャンミン、そして、なぜかドヤ顔のユノ王に見送られて、二頭の龍と一頭の白虎は空に飛び立ちました。



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