一人で森に行ったことをめちゃくちゃ怒られて、学校以外は外出禁止になった。
特に森へは卒業するまでは行ってはダメだと。
「自分の身を守れるようになるまではダメだな。」
物凄くがっかりしたけど、早く大きくなればいいんだとごはんをモリモリ食べて、牛乳も欠かさず飲んだ。
勉強も頑張ったけど、身体を作ることを目標にして学校へも走って通った。
そして、僕は卒業式を迎えた。
やっと森へ行ける。
もう木の根に足を引っかけて転ぶ仔ウサギじゃない。
背だって伸びたんだ。
キャップを被って、パーカーのフードも被って耳を隠し、家を出た。
天気が良いから、きっと泉の広場も綺麗だろう。
あの人に会えるかもしれないと期待しながら、僕は森へ入った。