一体何が起こるんだろう?

父上からの祝福じゃないんだ。

お祖父様もあそこ(王族用の席です)にいる。

双子たちは顔を見合わせた。


と、そのとき。

巨大な扉がゆっくりと開き始めた。

金色とも銀色ともつかない光が聖堂に入ってくる。

一瞬眩しいと感じるものの、それはとても優しい光で、全員の目がすぐに馴れた。


ウルロン。


ウルロン。


ウルロン。


虎の咆哮が三回聞こえると、聖堂に大きな銀色の虎が入ってきた。

続くように金色の虎が入ってきて、最後に白虎が入ってきた。



王子たちは三頭の神獣にビックリしている。

ホジュンだけでなくスンウォンやヘジンとも面識はあるものの、彼らはいつも人化していたので獣身を見るのは初めてだった。


「すごい…」

「でかい…」


三頭の虎は人化すると、先王と皇太后に礼をした。

先王と皇太后は恭しく御辞儀をして応えた。


『ドフン、ドンジュ、元服の祝福を授けに参った。受けとるがよい。』


ドフンとドンジュがひざまづくと、その前にホジュンを真ん中にしてその両脇にスンウォンとヘジンが立ち、手を翳した。


三色の光が双子を包んでいる様子を見て、チャンミンはこれと同じ光景を昔見たことを思い出した。

王子たちがまだ赤ちゃんだった頃、この三人が祝福を授けてくれたのだ。



光が消えると三人は双子から離れ、再び虎に変化して聖堂から出ていった。

王子たちもその後ろにいたユノとチャンミンも御辞儀をして三頭の神獣を見送る。

気が付くと、聖堂にいた全員がおなじように御辞儀をしていた。



ゆっくりと扉が閉まり、聖堂は元の空間に戻った。






無事、元服式終了です。