元服式。

とても良い天気で、国中がキラキラとしている。

特に王宮は光を跳ね返す粒が散りばめられたタイルを使って建てられているので、太陽の光を受けてキラキラしていた。


「用意はできましたか?」


双子たちの父親でもある後宮管理人のチャンミンがサロンにいた双子たちを呼びにきた。

「「はい。」」


元服式のために誂えられた礼服を着た二人が振り向く。

「では、行きましょう。」


「じゃ、母上たち、行ってきます!」



「行ってらっしゃい!しっかりね!」

後宮の“母上”たちはキャーキャー騒ぎながら手を振って送り出してくれた。


「なんか、遠足に行くみたいだ。」

ドフンがクスクスと笑いながら言うと、ドンジュも頷いた。



元服式は聖堂で行われる。

ここは、王族のあらゆる儀式を行う場所。

聖堂は円形の建物で、出入口の扉の正面にその何倍も大きな扉がある。

その巨大な扉は鍵もかかっていないのに、誰も開けることができない不思議な扉だった。

聖堂の真ん中に置かれた台座は金細工で宝石が散りばめられている。

そして、その上には剣が二振り。

もちろんこれは儀式のための宝剣で、この剣を父親である王から授けられて元服となるのだった。





聖堂に向かいながら、ドフンとドンジュはチャンミンに釘付けになっていた。

「ねえ、お父様、今日は一段とかっこいいよね。」

「うん。上着の刺繍、見てみろよ。すごいよ。」


ヒソヒソと話していますが、チャンミンには筒抜け。


「君たち、緊張感がないですね。」

めっ、と振り向いたチャンミンの両耳は真っ赤になっていた。

後宮の女たちにまたも遊ばれたチャンミン。

昨夜届いたこの衣装には、これでもかというほど金糸銀糸で刺繍が入っている。


「チャンミンさん、着てくださらないのぅ?」

「元服式は一度きりなのに。」

「お父様なのに。」

女たちに詰め寄られ、断ることができなかったチャンミンは今回も折れた。


「…ありがたく、着させていただきます。」


そのときの女たちの喜び方は今までにないもので、絶対何かあると、チャンミンはぐったりした。