週末の夜。

王の寝室でユノ王と後宮管理人シム チャンミンがベッドの上で向かい合って座っている。

色っぽい情景かと思いきや、そうでもない。




「ヒチョリヒョンなら会いたいって言えばすぐ会えるじゃん。なんで、今更内緒で会いたいなんて。」

「そうなんですよね。」

「第一、こっそり会うなんて無理だろ。あの人がそんなことできると思うか?」

「たしかに。」


チャンミンが後宮の女たちから聞き出したことをユノに相談していた。

「あの子たちも元服を控えてお年頃だし、何でもかんでも頭から抑えるわけにいかないですよね。」

「そうだな。ひねくれることなくスクスクと育ってくれてることだし。」

「ヒチョリヒョンに任せましょうか。」

「そうだな。」


話が一段落したところで、チャンミンがシャンパングラスをユノに手渡した。

潰した苺に注がれた金色の飲み物。

「夜ですからソーダの代わりにシャンパンを使いましたけど。」

「綺麗だな。」

ユノは小さな泡が揺れるグラスを照明にかざしてウットリと眺めている。

「今日も一日平和でしたね。王宮も誰一人として悲しむ者がなく、皆が笑顔で過ごして。」

「ああ、俺は恵まれている。国は平和で王宮も平穏。そして、チャンミンは変わらず側にいてくれる。」

二人はグラスを軽く合わせて苺入りのシャンパンで乾杯した。