「おとうさまぁ、ときどきおそらからおはながふってくるんだよ。」

ある日、ドフンが言った。


は?

まさか…

嫌な予感がする。

ものすごく。

「ぼくもみたよ。」

ドンジュが大きな目をくりくりとさせて頷いた。

「降ってきたのはお花だけですか?」

「うん。」

「誰かいなかった?」

「ううん。いなかったよ。」

「おはなだけだったよ。」






「…て、いうことがあったんです。」



週末の夜。

僕はユノの寝所で寛いでいた。


「ふーん。」

ユノは大して気にしていないふうだ。

「ふーん、て。」

「だって、それ、絶対ヒチョリヒョンだろ?何も心配することないじゃん。」

皿に盛られた果物のなかからイチゴを見つけだして頬張りながら、ユノは笑った。

「チャンミン、心配しすぎ。はい、食べて?」

新しいイチゴを差し出す。

ぱく。

甘くて少し酸味もあって、ジューシー。

「美味しい。」

「おすそわけ、ちょうだい。」



ちゅ。

まだ噛み砕く前の塊をさらっていった。





夜は更けてゆく。