ユノユノの舞は奉納舞の時よりもバージョンアップされていて、1度見た筈のチャンミンでさえユノユノに見惚れた。

音の反響を考えてか、宮殿の中で特に天井が高い広間を用意してくれて、その造りも凝っていて美しい。

スンジェは博識な上にかなりの多趣味で凝り性なので、宮殿の中は古今東西の色々が入り交じっているのだった。

観客はチャンミンも入れて四人だった筈なのに、舞が終わったときには広間には溢れんばかりの人がいて、拍手喝采が広間に響き渡った。





「見事な舞であったな。また顔を見せに参れ。」

笑顔でスンジェはユノユノに声をかけた。

「ありがとうございます。」

汗がにじんで上気した顔で礼を言うユノユノ。

ああ、いろんな意味でヤバい。

チャンミンは一刻も早く連れて帰りたかったが、皆がなかなか離してくれず、北の宮殿を飛び立ったのは夕刻に近くなってからだった。



夕日を横目に飛ぶチャンミンの頭の上で、ふとユノユノは後ろを振り返って見た。

チャンミンの金とも銀とも言えないなんとも美しい尾がオレンジ色の夕日を反射して、うねる度にキラキラと光をばらまいていた。

俺のチャンミンは本当に綺麗だ。


美しくうねりながら飛ぶ姿に見惚れていると、チャンミンの声がした。


「ユノユノ、ちゃんと掴まって前を向いてください。もうすぐ到着しますから。」


はあーい。

ユノユノは前に向き直って、チャンミンの角を掴む手に力を入れた。