チャンミンとユノユノに用意された部屋は、淡い色合いの家具で統一された明るい造りだった。

「チャンミン、さっきスンジェ様が言ってたこと、教えて?俺に話さなきゃならないことがあるんだろ?」

「帰ったら話します。」

「ダメだ。今聞きたい。」

さっきまでの可愛らしさは消え、射るような目でチャンミンを見るユノユノ。

「なあ、教えろよ。」

チャンミンは観念したようにため息をついた。


「スンジェ様が言っていたのは、龍と巫女の関係のことです。」


龍と巫女は一心同体。

それは命が尽きるまで。

「それは奉納舞の日に神官から聞いたよ。」

「龍は北の亀ほどではありませんが長く生きるんです。でも、人間の巫女と契るとその巫女と添い遂げるために巫女の命の長さに合わせます。二人一緒に尽きるために。」

なんだ、それ…

じゃあ、チャンミンは俺と契ったから本来の寿命よりも短くなったということなのか?

俺のせいで?


固く握りしめたユノユノの拳に手を乗せるチャンミン。

「ユノユノ、こちらを見てください。まだ続きがあるんです。龍と巫女は命が尽きるときお互いの半分を合わせて新しい龍となるんですよ。そして、残りの半分は転生するんです。」

「?」

「何も話さずに契りを交わしてすみませんでした。でも、僕はあなたと一緒にいたいんです。」

俯いてしまったユノユノ。

「…なんで、それ最初に言わないんだよ…」

「拒絶されるかもしれないと思ったんです。」

「拒絶なんかするかよ…求婚の言葉だろう?」

ユノユノの黒目がちな目から涙が溢れそうになっている。

「なあ、ちゃんと言ってくれよ…」






「ユノユノ、僕と同じ時間を刻んでくれますか?僕はあなたとずっと一緒にいたいです。」


「…」

「返事が聞こえませんよ?」

ポロポロと真珠のような涙をこぼし、言葉の代わりに嗚咽しか出てこないユノユノをチャンミンは優しく抱き締めた。

「泣かないで、僕のユノユノ。」

チャンミンの袖をぎゅっと掴んでしがみつくユノユノの背中を擦りながら、チャンミンは思った。


やっぱり、可愛いなあ。

さっきは男らしくてかっこ良かったけど。