時に商船を守り、時に非道な海賊を潰し、海軍からは適度な距離をおいて、僕らは楽しく過ごしていた。
不定期に寄港する島で交替で上陸して、つかの間の休息をとっているとき、港の市場で綺麗な金細工の首飾りを見つけた。
赤い宝石がついたその首飾りに、僕の目は釘付けになった。
「どうした?」
ユンホが僕の視線の先を見る。
「お前、こういうの好きなの?」
「僕じゃなくて、チャンスニにどうかと思って。きっと似合う。」
しかし、値段をきいたら、とても僕の手持ちでは買えないくらい高価なものだった。
「俺のを足してもまだ足りないな。さっき買い物しちゃったから。」
二人で露店の前で固まっていると、船の仲間たちがやってきた。
「よー、どうした?」
訳を話してみても、みんなそれぞれ楽しんできたから手持ちのお金は少なくて、それでも、腕を組んで唸ったまま、それでも誰も船に戻ろうとしなかった。
「お前ら、何やってんだ?そんなところで溜まっていたら迷惑だろう。」
不意に声をかけられて振り向くと、クッデだった。