通常海外のレースの回顧はしないのですが、勝ち馬のパフォーマンスに感動したのと、「勝った海外馬はどんな馬なのか、調べるのはめんどくさいが、興味はある」ような方々のために、短い回顧と勝ち馬紹介をします。
①レース回顧
2015.3.28 UAEダービー(GⅡ) メイダン・ダ1900m

内でペースに惑わされず追走したムブタヒージュが8馬身という圧倒的な力で勝利。スミヨン騎手の力で完璧なレースは出来たとはいえ、それを差し引いても強い。この馬の戦績や今後の展望に関しては特集で。
2着にマフトゥール、3着にゴールデンバローズ。もちろんマフトゥールは強いけど、きつい流れで道中掛かってたゴールデンバローズのほうが内容的には上だったと感じる。距離が長かったとの話もあるし、過去の傾向を見れば、厩舎の力次第では、ゴールデンバローズのGⅠはほとんど見えている。特にJDDは、能力だけで距離をこなしてしまっても不思議でない。
驚いたのは4着のサウジアラビア所属のモター。アルナジェムアルファイズに前走4馬身差で負けていた馬で、アルナジェムアルファイズが来るのはわかるが、まさかこの馬がそこそこやるとは思っていなかった。単純にアルナジェムアルファイズが凡走したのもある。
5着にタップザット。単独5着だから、やはりゴールデンバローズとは力差を感じる。
他の馬に関しては、サーフィーバーは斤量負担大きすぎだし、レースもちぐはぐ。
2015.3.29 ドバイシーマクラシック(GⅠ) メイダン・芝2410m

急激な成長を見せているフランスの牝馬ドルニヤが完勝。凱旋門賞5着時よりも明らかにパワーアップしている。同じく特集で。
2着にフリントシャー。後続には差をつけているから変わらず強いし、この調子なら凱旋門賞も出す価値はありそう。ドルニヤとの差は詰まらず仕舞いで、こればっかりは完敗。
3着にワンアンドオンリー。比較的折り合いはついていたし、差し返す場面もあったけれど、騎手のおかげで流れに乗れた感じ。上2頭にもあっさり突き放され、後述のカリフォルニアクロームにも差し切られる勢いだった。この結果でキングジョージを目指すのは、(陣営の勝手ではあるけれど)さすがに高望みしすぎ。
「差し切られなかったんだからいいじゃないか」と思うだろうが、4着のデザインズオンロームは2000mまでが適距離で、今回の距離はとにかく長い。ただでさえ展開不利も被り、距離ロスがあった。鞍上を責める気は全くないが、ワンアンドオンリーと騎手が逆ならこの馬が3着だった。
メインシークエンスは度外視。フリントシャーに競り勝っているような馬であり、一発屋でもない。勝負どころも間違っていなかったし、普通に力が発揮できていれば2着争いには加わっていただろうな、という気がする。
ハープスターはなぜドバイターフに出さなかったのか。歳を取って距離に融通が利かなくなってきてしまった。わざわざ不当に評価を落とすようなレースをさせるくらいなら、適距離で能力を誇示すればよかっただろう。ハープスターが可哀想ではないか、と思った。
2015.3.29 ドバイワールドカップ(GⅠ) メイダン・ダ2000m

UAEのプリンスビショップが、道中追走に苦しむところを見せながらも、最後直線突き抜けて圧勝。
2着に米2冠馬カリフォルニアクローム。自分の競馬は出来ていて、こればっかりは完敗。それでも強かったことに違いない。
3着にリー。カリフォルニアクロームには及ばなかったけど、あっさりホッコータルマエを差し切って突き放しており、結局能力は十分。
5着ホッコータルマエは、昨年の雪辱は果たせたのではないかと思う。自分からハナを奪いに行ったし、これ以上ない競馬だったのではないだろうか。悔しげなコメントを残しながらも、幸騎手の表情は爽やかだった。
4着キャンディーボーイに差されてしまったことからも、やはり日本のダートはレベルが低いのだとよくわかった。
②勝ち馬紹介
☆ムブタヒージュ(Mubtaahij)
【調教師】M.デコック(南アフリカ)
【馬主】シェイク・モハメド殿下
【血統】父:Dubawi 母:Pennegale(Pennekamp)
【主な戦績】①UAEダービー(GⅡ)、アルバスタキヤ(準重賞)
②UAE2000ギニー(GⅢ)
【通算成績】7戦4勝
英国の芝マイルの未勝利戦5着でデビュー。同条件の2戦目でも敗れるも、メイダンのダートマイルで勝利を飾る。5戦目、ドバイ3冠の1戦目UAE2000ギニーではマフトゥールに敗れるも、2戦目アルバスタキヤを制し、3戦目の今回を圧勝で飾った。3冠はならずも、素晴らしい能力。
父ドバウィは、香港短距離界の強豪ラッキーナイン、ドバイWCモンテロッソ、香港中距離の強豪アキードモフィート、そして今年のドバイWCプリンスビショップを輩出する名馬。今年も素晴らしいダート馬を輩出し、さらに株はあがる。
☆ドルニヤ(Dolniya)
【調教師】A.ロワイエ=デュプレ(フランス)
【馬主】H.アガ=カーン殿下
【血統】父:Azamour 母:Daltama(Indian Ridge)
【主な戦績】①ドバイシーマクラシック(GⅠ)、マルレ賞(GⅡ)、ダルシャーン賞(仏調整)
③ヴェルメイユ賞(GⅠ)
【通算成績】8戦5勝
フランスのシャンティ芝2100m一般戦2着でデビュー。次走一般戦を快勝すると、そこから3連勝でマルレ賞(GⅡ)を制す。5戦目のヴェルメイユ賞(GⅠ)で3着となると、本番の凱旋門賞(GⅠ)でも5着に好走した。著しい成長を見せたのが7戦目のダルシャーン賞(仏調整、AW1900m)でフリントシャーを破った。今回も完勝したが、調教師はまだまだ真髄は先だという。凱旋門賞制覇まで視野に入る勢いだ。
父アザムーアは、ドルニヤ以外には仏オークス馬ヴァリヤくらいしか輩出していないが、自身はGⅠ4勝。
☆プリンスビショップ(Prince Bishop)
【調教師】S.ビンスルール(UAE)
【馬主】シェイク・モハメド殿下
【血統】父:Dubawi 母:North East Bay(Prospect Bay)
【主な戦績】①ドバイワールドカップ(GⅠ)、マクトゥームチャレンジR3(GⅠ)、マクトゥームチャレンジR2(GⅡ)
②マクトゥームチャレンジR3(GⅠ)、マクトゥームチャレンジR2(GⅡ)
【通算成績】28戦11勝
今年で8歳になったセン馬。デビューはフランスの未出走戦で2着。4戦目から3連勝で芝のGⅢと、4連勝で芝のGⅡを制した。ドバイに矛先を変えてからは、3年間ちょっとした重賞を勝ちつつもGⅠでは結果が出せず仕舞いだったが、昨年マクトゥームチャレンジR3でGⅠ初制覇。そこからAW等と数戦し、今年からダートとなったマクトゥームチャレンジR2、マクトゥームチャレンジR3を、生涯初めてのダート挑戦で挑んだところ、ともに2着。そして、AWでは3回挑戦して3回惨敗したドバイワールドカップを、見事ダート替わりを機に圧勝した。
父に関してはムブタヒージュと同じ。
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それでは~