少年と犬


2020年直木賞受賞後、図書館に予約してようやく読めました

直木賞らしい読みやすく、心に残る作品です


東日本大震災で飼い主とはぐれた犬、多聞がさまざまな境遇の人と関わりながら熊本に移住した少年を目指し旅をしていく物語

熊本でも地震に遭い、少年を守って多聞は命を落としてしまう結末ですが、悲しいだけでなく、心温まる、特に犬好きにはたまらない


多聞は死と孤独を嗅ぎつけて様々な境遇の人の前に現れ、ひとときの幸福を味わせ、少年のもとへたどりつく、頼もしい不思議な犬

うちの犬には頼もしさはありませんが、犬は人間の機微がわかる一番の動物である事がよく描かれていて、犬を飼っている私にはうなづけて感慨深い内容です

もちろん、犬を飼っていなくても、犬好きでなくても楽しめる小説です


待って読んでよかったと思える本で、馳 星周さんの他の本も読みたくなりました