本日の読書感想文



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堤未果のショック・ドクトリン

堤未果


感想 

すごく勉強になった。


表紙の裏には『「ショック・ドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。


日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。


パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など・・・・。


強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?


滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。』


とある。



ショックドクトリンの特徴は「国民に考える暇を与えずに、社会を作り変えてしまうこと」


政治家個人のスキャンダル報道、芸能人の結婚報道などに隠れて国会で提出される法案に注意せよ、と筆者は言う。


たとえば、マイナンバーに関するルール変更法案がそのいい例である。


①マイナンバーの利用範囲を災害、税金、社会保障の3つ以外にも拡大する。


②年金給付口座などの情報をすでに行政が持っている場合、「登録拒否」と申し出ない限り、自動的にその口座とマイナンバーを紐づけることに同意したとみなす。


③(いまももめているが)2024年に紙の保険証は廃止


④乳児の顔写真は不要


「第1章 マイナンバーという国民監視テク」

では、タイトルでもわかるように、


政府の狙いは『個人情報がマイナンバーに集められ、それをもとに金融資産をリアルタイムで把握でき、思想と行動も把握できてしまう』ことである。


そのため、カードに保険証、口座を付け加えるとマイナポイント2万円の大盤振る舞い。


でも個人情報のセキュリティは大丈夫なのか?


筆者は言う。


『デジタル化時代の基本は「リスク分散」、世界の流れは「脱個人番号」に向かっている。


マイナポータルにどんどん個人情報を集めてしまって、何かあっても大臣にはブロックされ、デジタル庁は責任を取ってくれません。』


『子供たちに教えてあげることはこうです。


個人データは最大資産。


リスクは極力分散し、

安心できるルールができるまでは、自己責任で死守せよ」と。』


「第2章 命につけられる値段」では

コロナワクチンでファイザーなどの製薬会社が如何に


「いまだけ、カネだけ、自分だけ」

(社会がどうなろうと、他人がどうなろうと、自分さえ儲かればよい、と考える究極のジコチュウ)を行っているかを暴いている。


(その行為に日本政府は税金を使って必要以上にワクチンを購入し、挙句の果てに4610万回分のコロナワクチンを廃棄している。)


「第3章 脱炭素ユートピアの先にあるディストピア」の項目でも、


『「温室効果ガスによる地球温暖化」という評価は元アメリカ副大統領アル・ゴア氏がドキュメンタリー映画「不都合な真実」で衝撃的に打ち出し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がそれを支える形をとって、各国のメディアが繰り返し報じてきたもの。


一方、これ自体が科学的評価ではないとして、世界の多くの科学者が疑問視しています。』


二酸化炭素のせいで温暖化が進んでいるとされているが、


『実際、2023年2月にアメリカ海洋大気庁が公表したNASAの最新データは地球が過去8年ずっと冷え続けていることを示しているのです。』


『異常気象は確かに悪化しているのですが、その主要な原因が二酸化炭素だという説はまだ激しい論争が続いており、科学的な証明がされていません。』


それなのに二酸化炭素の排出権をカネで売り買いする、、、まさに「いまだけ、カネだけ、自分だけ」である。


再エネについても鋭くメスを入れる。


『生産国によって差はありますが、問題は太陽光パネル市場の8割を環境規制が世界でもダントツに緩い中国の製品が占めていること。


中国本土で、工場近くの川に有毒廃棄物をじゃんじゃん流して近隣住民に訴えられているギンコ・バイオワークスなどは典型例の一つでしょう。


一枚一枚のパネルが薄いのも心配です。


強風が吹けば簡単に吹き飛ばされ、豪雨にあたれば剥がれ落ち、大雪が降れば壊れてしまいます。


一番怖いのは外れても発電し続けるので、自然発火するリスクや台風などで浸水した上に落っこちたら感電する可能性もあることです。


さらに


『なかでも全国で深刻な問題を引き起こしているのが、ソフトバンクの孫正義社長が震災直後に導入を提案した「メガソーラー」と呼ばれる発電量1000kW以上の巨大パネル事業です。


パネルを取り付けるために森の木を切ったり斜面を無理に削るので、雨が降った時に土壌が保水しきれなくなり、土砂崩れが起きてしまうのです。


全国データを見ると、太陽光発電の工事現場では、なんと10回中1回は土砂崩れが起きているという本末転倒。


環境を守るためのはずが、森の木を切り、土壌の持つ力を弱らせ、挙句の果てに土砂崩れで地域住民が被害にあう。


「いったい何のための再エネだっけ?」というような、とんでもない状況になっているのでした。』


これらはショック・ドクトリンのほんの一例である。


厄介なことに一度決められたルールは覆すのが難しい。


だから、筆者は


『今は海外の情報がネットでもたくさん手に入る時代です。


政府とメディアがメリットだけを押してくるものほど、海外の事例をチェックしておきましょう』という。


肝に銘じよう。


なお、海外には、おかしなルールに反対の声を上げ、多くの人の努力でルールを覆した例もあるようだ。