News Diet
ロルフ・ドベリ
感想
「行きつ戻りつ死ぬまで思案中」や「統計で騙されない10の方法」などで引用されていた。
帯には
『より少ないことにこそ、豊かさがある。
スイスの知の巨人が提言する、新しい時代の人生を変える「ニュースフリー生活」のすすめ。』
とある。
プロローグには
『ニュースの消費を抑えることは、何かを断ち切るつらい行為では決してない。
その逆だ。
そうすることで、あなたは様々のものを手に入れられる。
時間の余裕ができるし、物事の本質をつかみ、今よりも幸せになるための新しい視点を得ることもできる。』
とある。
自分なりに、非常に大雑把にこの本の内容をまとめると、
「ニュースは読まなくてもよい(読まないほうが良い)。
良質な本を読むことのほうが人生に役立つ。」
ということになる。
それを35の項目にまとめ、これでもか、と投げかけてくる。
納得できる部分ばかりである。(でも少し、くどい気もする)
各項目の最後に「重要なポイント」としてまとめられているパートもある。
(これだけ読んでも役に立つと思う。)
例えば
『それなしでは生きられないほど重要なニュースなど存在しない。
数えきれないほどのニュースよりも
たった一冊の良書のほうが
何千倍もあなたの人生と健康のためになる。』
『家族やキャリアや趣味のために、毎年一か月の余分な時間を手に入れたければニュースは断つことだ。
これほど多くの時間の余裕を生み出せる方法はほかにない。(ニュースを読む時間は年間1か月!にもなるという)』
『ニュースを消費すると、あなたは、世界は実際よりも単純で説明可能だという錯覚にのまれてしまう。
短いニュースが提供するでっち上げの理由を受け入れるより、自分で考えを巡らせよう。』
『ニュースで報じられることの99パーセントは、あなたには影響を及ぼせない。
そのことが、あなたを「学習性無力感」と呼ばれる心理的な穴に落とし込む
ーあなたの人生のすべての領域に広がる、ある種の軽いうつ状態に陥ってしまうのだ。
ニュースの蛇口を閉め、あなたがコントロールできる範囲にある自分の人生の要素に注意を向けて、その穴からはい出そう。
そうすればあなたの人生は一挙に平穏になり、あなたは今よりも幸せを感じられるようになる。』
『残虐行為や惨事はいたるところで起きている。
ニュースサイトでがれきの下から這い出てくる地震の被災者を見ると、それ自体はフェイクニュースでなくとも、あなたは「偽りの同情」を感じることになる。
あなたが注意を向けたところで、地震の被災者の助けには少しもならない。
ニュースメディアとニュースプラットフォームの運営企業を支援することになるだけだ。
惨事の犠牲者はもちろん、助けるべきだ。
注意を向けるのでなく、お金を寄付しよう。』
『ニュースは、私たちの存在を問う壮大な疑問に答えることができない。
私たちの存在にかかわるちょっとした疑問にすら答えられない。
ニュースにできるのはせいぜい私たちの心の落ち着きを乱すことくらいだ。
心の平静とニュース
ーこの二つは調和しない。
人生における賢明さとニュースも当然のことながら調和しない。
今より少しでも賢明になりたければ、劣悪なニュースでなく、質の良い本を読むべきだ。』
筆者は言う。
『週に1冊は本を読もう。
20ページ読んでも世界に対するあなたの見識が広がったり変化しない本はやめてもよい。
反対に2ページごとに新たな認識をもたらしてくれる本を見つけた時は最後まで読み通そう。
そして、別の本を挟むことなく、続けてもう一度読み返す。
二度読んだ時に得られる効果は、一度しか読まない時の倍どころではない。
筆者の経験では効果は10倍になる。』
ぜひ、実践したい。