私たちは子どもに何ができるのか

 

 

この本では貧困と非認知能力の獲得について問題提起している。

貧困は自己責任という冷たい目線ではなく、家庭へ介入することで貧困の連鎖を止めることができるという。

 

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平成28年 日本の子供の貧困層は14% 7人に一人の割合だ。

 

近年、教育分野では「非認知能力」の育成に、高い関心が集まっている。

子供はより良い人生を歩む上で、これまで重視されてきたIQや学力などの認知能力よりも影響力が、大きいことが明らかになりつつある。

「非認知能力」とは一つの事に粘り強く取り組む力や、内発的に物事に取り組もうとする意欲などを指す

 

心のOS(オペレーティングシステム)といってもいいかもしれない。

 

子どもの貧困は一生の財産になる非認知能力を獲得する機会を奪ってしまう。

それは単なる家庭の問題だけでなく、保育園、幼稚園や学校、地域社会で周囲の大人たちがどのように子供と接するかによっても、大きな影響を受ける。

 

 

非認知能力が認知能力と全く種類の異なるものであるなら、どうしたらいいのだろう?そもそも訓練や練習の結果として、身につくものではないとしたら認知能力を伸ばすプロセスが読み書き計算を習得するときのプロセスとは似ても似つかないものだったら?私の結論はこうだ。認知能力は教えることのできるスキルであると考えるよりも、非認知能力は子どもを取り巻く環境の産物であると考えた方がより正確であり、有益でもある。

 

子供たちのやり抜く力やレジリエンスや自制心を高めたいと思うなら最初に働きかけるべき場所は子供自身ではない。環境なのである。

 

子供が感情面、精神面、認知面で発達するための最初にして。極めて重要な環境は家である。もっとはっきり言えば家族だ。すごく幼い頃から子供は親の反応によって世界を理解しようとする。

 

特に子供が動揺している時に親が激しい反応を示したり、予測のつかない行動を取ったりすると、後々子供は強い感情をうまく処理することや、緊張との高い状況に効果的に対応することができなくなる。反対に子供が瞬間的なストレスに対処するのを助け、怯えたり、癇癪を起こしたりした後に、落ち着きを取り戻すのを手伝うことのできる親は、その後の子どものストレス対処能力に大いにプラスの影響を与える。

 

 

生まれて最初の12ヶ月のうちに温かく、気配りの行き届いた子育てを経験した子どもは、多くが親と強い結びつきを形成する。

研究者たちはこれを「安定したアタッチメント」と名付けた。この結びつきによって、子どもの心に安心感と自身が深く根付く心理学の用語で言う「心の安全基地」ができるのだ。

これがあると成長した時に自力で思い切って世の中の探検へと乗り出していけるようになる。

 

人生を不安定にする貧困などの要因のせいで、多くのストレスにさらされている親はストレスのない親の場合よりも子供に対して配慮の行き届いた、落ち着いた反応すること、つまり安定したアタッチメントを育むことが難しい。

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この本では貧困層の家庭への介入により親と子のアタッチメントを育てる事例、実験などを紹介しています。

 

また学校で生徒たちに粘り強い行動をさせるにはどうしたらいいのか?

 

4つのマインドセットを紹介している。。。

 

教育現場でもできることはある。

けれども私たち親が子との愛着形成をはぐくむには家庭が土台となります。

それを意識して子どもと向き合っていきたいと思いました。ニコニコ