最近、授業で中東のことについて勉強しています。

ちょっと、堅い話になりますが、トクマ亭の方じゃなく、こっちに書かせて下さい。
めんどくさいんで。

今、中東と言えば、とりあえず、「オイルマネー」だと思います。←あばうとー^^;
2000年代初頭からの原油価格高騰のおかげで、中東に流入してきた、とにかく巨額のオイル・マネーがあります。

このオイルマネーの資金移動の流れは、9・11以前と以後では全く違ったものになっています。
同時多発テロ以前では、中東諸国のオイルマネーは、一旦欧米金融機関に預けられ、、アメリカに資金が流入していました。アメリカの人々が、借金をして消費してくれていたというのは、有名な話です。
 しかし、同時多発テロが発生したあとは、アメリカが、テロ対策ということで中東資金に対する監視を強めるなどした結果、中東からアメリカへの直接の資金移動は少なくなりました。
その結果、①イギリスのシティを介してアメリカに投資すると、②中東に直接投資するの2通りの新たな流れができました。

ここで言いたいのは②の方。
今、中東では、急速に開発が進んでいます。
特に、ドバイの発展や著しいものがありますね。
7つ星ホテルができ、人工島ができ、人工スキー場(屋内)ができたりしています。
投資家は、中東への投資⇒好景気⇒莫大な利潤の回収 というサイクルに我を忘れて、稼ぎ、使っています。
そうした繁栄を見ていると、なんと言うか、うれしさとか嫉妬とかの感情ではなく、
一種の諦観、悲壮感のようなものを感じてしまいます。

一つは、「人間」というものの性質について。
アラブのような、イスラムの教えの強い、非常に穏やかなヒトでさえ、
金を目にすると、どうしても「欲」に目をくらませてしまうのかという思いです。
イスラムでは、不労所得を禁じています。だから、利子は受け取ったりできません。汗を流して働き、
それで収入をえること。これが、イスラムに課せられた教義です。
これは、はっきり言って、人間にとって「理想」です。こんなことができたら良いなと、そう思う
レベルのものです。しかし、アラブでは、イスラムの教えとともに、こうした考えが普通のこととして受け入れられ、考えられています。これは、すごいことです。

宗教とは、人間の本性に打ち勝つ力を持っている。

そう感じました。しかしです。しかし、そのイスラムでさえ、金を手にすると、周りが見えなくなり、あのドバイの高層ビル(僕は、あれば「バベルの塔」だと思います)をたてたり、世界一を競ったりしようとしています。イスラムとは、分配国家という考え方からもわかるように、本来平等と公平の宗教であるのに。
別に、今の世のあり方がどうとか言う問題を言いたい訳ではないんです。資本主義の世界とはそういうものです。金さえあれば、砂漠を緑の野に変えることすらできるのですから。これは、金がなければ、ヒトの人徳などという問題だけでは、到底ない得ないことです。

金には力がある。だからこそ、人徳というものが大切になってくる。


もう一つは、イスラム世界の台頭です。
台頭という言い方も変かも知れませんが、今回のオイルマネーや中東の発展で、アラブの人は、
自信を深めたと思います。
特に上流階層では、いろいろ考えているヒトもいるかもしれませんが、多くはそうでしょう。
自信は主張に変わる。これは、普通の人間でもそうだと思います。

翻って見ると、こうしたアラブの主張も、オイルマネーに起因し、そしてそれは、9・11に一部起因しています。これは、パクス・アメリカーナの崩壊が引き起こしているのだと思います。

秩序が崩壊すると、「相容れない思想・宗教」をもつ中東アラブとアメリカの対立は深まるんじゃないか。
そんな気がしてならないんですよ。