2063年、宇宙への往来が当たり前となった時代、ケアード高校に在籍する生徒9名が惑星キャンプへと旅立った。キャンプ地である惑星マクパに降り立った9名だったが、突然現れた光の玉に飲み込まれてしまう。はるか5012光年離れた宇宙空間に放り出された生徒たちの運命はー?


感想(ネタバレあり)













色々と忙しくなり久々の投稿になってしまいました。忙しい中でもマンガはさくさく読めるのでちらほら読んでいたのですが面白くて一気読みしてしまったのがこの作品。

ジャンルはSFでギャグでミステリー。宇宙に放り出された9人は偶然近くを浮遊していた宇宙船へと乗り込み、故郷へ帰るためのサバイバル生活がスタートします。しかし宇宙船の通信機が何者かに破壊されており、メンバー内に刺客が潜んでいることが判明します。宇宙で漂流、惑星を巡るサバイバル、命を狙う刺客がすぐ近くに、という過酷な状況でありながらメンバーは常に前向き、力を合わせ困難を乗り越えていきます。そこには悲壮感はなく、それどころかところどころギャグがはさまれ、面白く楽しく読めるものになっています。

篠原健太さんの前作スケットダンスと同じくキャラクターが魅力的で、何と言っても(昔から)テンポが本当に好きです。読みやすくわかりやすい、読んでいて心地よいですね。

ストーリーも全5巻とは思えない密度でうまくまとめられています。ミステリー要素はスケットダンスの推理回を思い出させます。謎は2つ、
・刺客は誰なのか?
・なぜ9人は命を狙われるのか?
刺客が誰なのかは結構予測がつきやすいかな、と思います。というか多分作者もそこまで隠そうとはしてないように感じました。(コミックス表紙絵がもう…)

その他の謎はもう全部スッキリ解決で、黒幕たちの顛末をもうちょっと描いてほしかった部分はありますがエンディングも良かったと思います。

世相を反映してか汚い大人たちにやりこめられ、閉塞感を感じる結末の作品が多い昨今で、自分の目で見て感じて真実を探し、未来を切り開くという希望に満ちたストーリーとエンディングが本当に良かったです。面白かった!