個人的評価★★☆☆☆
事あるごとに考察してしまう癖がある主人公安藤は、ある日自分が思ったことを他人に喋らせる能力に目覚める。強気な発言で支持を集める政治家犬養と犬養に感化された世の中の流れを恐れた安藤は能力を使い犬養に近づこうとする。
政治に対して閉塞感のある現在に、流されていないか?自分で考えているのか?と問いかけてくる異色作です。
感想(若干ネタバレあり)
この作品は2005年 発行の書籍なのですが、2018年現在にも通じるものがあり、まるで今を予言しているかのようですらあります。
「誰が総理大臣でも変わらない」「政治家は口ばっかり」というような政治に対しての不信感だったり、カリスマ性のある人物の強い発言やネットで得られる情報を鵜呑みにし考えているつもりになっている自分。安藤の口癖「考えろ」は安藤自身ではなく読者に問いかけているようにも思えます。
ゴールデンスランバーがエンターテインメントに徹した作品ならばこの「魔王」は真逆とも言えるかもしれません。犬養に関しても悪の黒幕というわけではなくむしろいい政治家では?という立ち位置で、安藤の能力腹話術でどうにかなる、ということもあまりないので淡々とストーリーが進んでいきます。
この独特の雰囲気は好みが分かれるところかと…。盛り上がりが少なく、私は不完全燃焼に感じてしまいました。あまりないタイプの小説でハマる人はハマると思いますのでぜひご一読ください。
