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個人的評価★★★★★
後輩である「黒髪の乙女」に恋する「私」。あの手この手を使って乙女とお近づきになろうとするも次々に珍妙な人々と奇怪な事件に巻き込まれてー。
舞台は京都、大学生2人の1年を描いたちょっとおかしなラブコメディ。

感想(若干ネタバレあり)


















大袈裟なセリフ回し、不思議な世界観、非常に独特の文体でまるで演劇の舞台をみているかのような小説で実に楽しめる物語でした。人によってはこの文体がお気に召さないかもしれません。それだけクセのある小説だと思います。
キュートな乙女に恋する先輩の涙ぐましい努力が笑えます。努力といっても彼女の行く先に先回りして偶然を装って声をかけようとする、といった「外堀を埋める」程度の行為なのですが、「私」の小狡い手段や臆病さはとても共感できました。「男らしくない!」と思われるかもしれませんが男だって恋に臆病なのです。

好きなシーンは
「彼女がすべてに優先するのだ」

恋に邁進する「私」の言動は本当にくだらなくてばかばかしくて、必死な彼が本当に面白いです。

森見登美彦さんの著書、たぶん「四畳半神話大系」だったかと思うのですが(現物がない。だれかに貸したか?)「成就した恋ほど語る価値のないものはない」というような文章があり、私はそれにすごく同意します。そしてこれはそんな物語ですので、そんな物語がお好きなら、ぜひご一読ください。