
個人的評価★★★★★
私が読書にハマるきっかけになった本のうちの一冊です。仙台市を舞台に、首相暗殺の濡れ衣を着させられてしまった青年の逃亡劇が描かれます。著者がエンターテインメントに徹したという小説、ということで台詞回し、文章のテンポが心地よく、伏線回収も見事なのでこれから読書を始めたい、という方におすすめの一冊。
※感想(若干ネタバレあり)
一章、二章、三章は首相暗殺事件を外側から見る第三者の視点、四章は主人公青柳の視点で話が展開していきます。国家レベル?で犯人に仕立て上げられた青柳がどうやって無実を証明するのか、いかにして追跡から逃げるのか、四章は怒涛の展開でページをめくる手が止まらなくなりました。
ラストが黒幕を倒してハッピーエンド、というお話ではないのでそこは好みが分かれるかも。しかしとにかく読みやすく、散りばめられた伏線(思えばこの言葉を知ったのもこの作品がきっかけでした)が収束する快感、読み終えたあとの酩酊感?に近い余韻はこの後色々と本を読んでもなかなか味わえないものでした。
好きなシーンは
「俺は犯人じゃない」「知ってた」
と
「今度は間に合ってよ」今度は間に合う。
どちらも元恋人、樋口のシーンですね。実は逃亡中は会うことも話すこともない樋口が陰ながらアシストしてくれる様は青柳の武器である「信頼」の表れといえるかもしれません。
魅力的な登場人物の仕草や台詞はマネしたくなるものばかり。読み終えた後、手に息を吹きかけたのは私だけじゃないはず。
ぜひご一読ください。