秀作と言って良いと思う。
ページ数と文字数の多さもあるが、内容が良くリアルに描かれているため、
じっくり読んでしまい読み切るまでに時間を必要とした。
直貴、由美子、寺尾、社長と全ての人物について書きたいところだが、
兄、武島剛志に絞り、感想を書いてみる。
武島剛志は、弟の大学入学費を何とかするために強盗に入り、
誤って老人を殺害してしまう。
親をなくし、弟を学問に専念させたく力仕事に没頭するが、
体を壊し強盗に及んでしまった。
それから手紙を毎日弟と被害者の家族に送り続けた。
弟からは、返事がない日が続く。
なぜ返事がないのか理解できず、孤独な日々をすごす。
ある日から、弟を扮した人物からの手紙を受け取るようになり、
それを生きがいとする。
それから数年後、弟から家族守るため縁を切る手紙を受け取る。
今まで弟が犯罪者の身内というレッテルを貼られ、
差別に苦しみ人生の全ての重要なイベントをことごとく奪われた真実に気づく。
そしてそれが、由美子や娘までにも及んでいることを。
最後は弟を目の前にし、手を合わせ。。。
単純にこの人の人生を考えれば、あまりにも無残である。
親を亡くし、自身の人生よりも弟の人生を考え、そのためだけに働き続けた。
遊び盛りの若者がである。
しかし、体を壊し、挙句の果て殺人を犯す。
その後刑務所で暮らす日々となる。
唯一の楽しみが弟からの手紙だが殆ど返事がない。
返事がきだしたと思ったら、弟がずっと苦しんできた事実を知り、
縁を切ってくれと最後通告を受ける。
この人は何のために生まれてきたのだろうか?
犯罪は絶対にいけない。殺人は絶対にいけない。
自分に関する人々も罪を背負い続けるということ。
罪を犯すということは、それだけ重大であり取り返しのつかないことだ。
今後自分の子供ができたときなど、罪の重大さや、
それを背負う人達について、しっかりと教育していきたいと思う。
読み終えた後、映画も見てみたが剛志役の玉山のラストしシーンは泣けた。
一番見たいシーンであったため期待していたが、想像以上だった。