始めに少し、この本を読み始めた時の話しをさせて下さい
読書なんて普段しなかった私でも耳にしたことがある村上春樹さん。
図書館で『何を借りようかなぁ、、、』
って、迷っていたというか、何を借りていいのか分からなかった時に頭に浮かんだのが
あまりにも有名な村上春樹さんだった
って安易な理由で借りました。
借りたもののしばらく放置していたの
ある日、朝から『もう何も考えたくない』って思う事があった時に、
とりあえず本でも読んで頭の中をそのストーリーでいっぱいにしてしまえば何も考えずにすむんじゃないか?
と思って読み始めたのがこちらの
海辺のカフカ(上下)
※多少ネタバレします
主人公は、父から呪いをかけられ家出する少年。
孤独感と不思議なストーリー
が第一印象でした。
家出する少年と、猫と話せる不思議なおじさんの2つの話しが交互に進んでいく展開でずっとラストが気になり一気読みしました。
この日にこの本を読み始めていなかったら、ただの不思議なストーリーで意味分からなかっただけ
というか、私なりの解釈すら出来なかったかもしれないし、読書の良さも感じなかったかもしれないなぁ。
私の期待どおり『現実を忘れて本の世界に身を置ける1冊』になりました。
ただ、何かを変えたくて読書の真似事をしはじめた私に読書の良さを体感させてくれた1冊となりました
(それまでは実際、数冊あった本も読まずに放置していたし。笑)
またこんな気持ちになりたくて、この本を記念に残したくて図書館に返却した後に実際購入しました。
『図書館もいいけど、やっぱり本は購入して手元に残したい』
『歳を取った時に、あの頃この本を読んでいたなぁ』
って日記や印みたいに残して行きたくなって、それから読んだ本は図書館で借りるのではなく購入しています。
年月が経ち、いつか読み返したらまた違った理解が深まるかもしれないという別の楽しみにもなります。
今現在の私がどんな解釈をしたのか、数年後それをどう思うのか、、、
だからこのブログに書き残そうと思います。
海辺のカフカ
現実と非現実の境目がうまく混ざり合っていて少し難しい感じもしますが、
個人的な理解として
私達は目には見えない宿命とか、遺伝子とか、業といったものと
目に見える肉体
五感で感じられる雰囲気や文字や言葉が混ざり合って日々過ごしていますが、
目には見えないものも、見えないだけで現実ちゃんとそこにあって
宇宙が全て解明しきれないのと同じくらい、一人一人の中にも宿命や業がハッキリと存在する。
一見不思議なストーリーだけど、形にしてみたら村上春樹さんの表現はこうなんだろうなぁと思いました。
あくまでも私の見解ですが(笑)
人類が誕生して、自分の中にはいつどこで何をしていたか分からない人の遺伝子が混ざり合っているか?
それは分かりませんが、少なくとも両親の分身ではあります。
その両親もまた、2つの生身の肉体から出来ているわけですから、そこから作り出された自分の思想や行動はすべて宿命や業となるわけです。
宿命や業とは、簡単に言えば傾向性。
後天的にもそれは変わってくるのでしょうが。
そんな宿命や業、を父からの呪いとしているのでしょう。
ちょっとゾッとするような描写だったり、不思議な展開だったり
宿命や業、思い出や感情、現実
たくさんの見えないものを独特な描写で表現して
最後は
『結局は自分自身なんだ』
『産まれるのも一人、死ぬのも一人』
『悩むのも、決断するのも一人』
少しずつ、少しずつ
縁した人に手を借りながら
でも最後は自分。自分自身で選んで、自分自身で決断し戦い、自分が変えていかなければならない。
自分の宿命や業なのだから。
だから自分にしか出来ないわけだ
と、私には感じられる作品でした。