読書部の歩み

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課題本「影法師」(百田尚樹著)

開催日 2014/4/26(土)

場所 居酒屋カナキッチン

担当者ケン

さあ、第二回目です。今回はiPhoneのレコーダーでちゃんと記録したのですが、都合上別の飲み会の後に行われたので会話の内容が少しグダグダです(汗)まぁ酷かったのは主に隼氏なのですが、そこらへんはかなり添削、編集しています。出てくる三つの頭文字は

宗:ソウジュン
健:ケン
隼:シュン

を表しています。それではどうぞ。

宗 今回は「影法師」だけど
健 影法師、ザ、シャドウ!!
宗 で、最後の袋とじなんだけど
健 オレ見てないんだよね
隼 え、見てないの?
健 見てない
宗 今日カッターで切って見たわけよ
隼 オレも見た
健 どうだった?
宗 まあ、そこまでのものじゃなかったな
健 あ、そう(笑)
隼 健はなんで見なかったの?お前あとがきとか読まないって前に言ってたよね?
健 いや、読むときもあるよ、絶対読まないってわけじゃないよ。でもお前らは絶対読むよな
宗 メッチャ読む。ほら、オレ帯大好きじゃん?あとがきとか最高じゃん?
隼 たしかに、健は読んでないのか
健 オレ、ハードカバーで読んだから
隼 ハードは袋とじ無いんだ
健 無いなー
隼 じゃあ本編メインで話そう
宗 オレ率直に感想を言うと彦四郎他に方法あっただろって
隼 本当そう
宗 オレあいつの名前大声で叫びたい!!もうブルーハーツだよ
※このとき店内のBGMがブルーハーツだったからと思われる
健 最後誰が主人公だったかよく分からなくなるくらいのどんでん返しだったよね
隼 でもこの話は勘一メインで語られてるから……
宗 いや、読んでたらそうでもないけどね
隼 まあ、そうなんだけど……オレも宗と同じで才能ある彦四郎だったらもっと上手くやれただろうって思った。二対二の決闘も別に切られなくても……
宗 なんなら彦四郎が二人を倒せばよかったんじゃないのってな?
隼 でもこれは物語を成立させるためのものだからつっこむのは野暮になるのかな、でも彦四郎だったらって思うよな
宗 オレこの話読んだときに思い出したのが「泣いた赤鬼」の話なんだけど
隼 あぁ
健 オレ知らないな
※「泣いた赤鬼」 とある山の中に、一人の赤鬼が住んでいた。赤鬼はずっと人間と仲良くなりたいと思っていた。そこで、「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます」という立て札を書き、家の前に立てておいた。

しかし、人間たちは疑い、誰一人として赤鬼の家に遊びに来ることはなかった。赤鬼は非常に悲しみ、信用してもらえないことを悔しがり、終いには腹を立て、せっかく立てた立て札を引き抜いてしまった。

一人悲しみに暮れていた頃、友達の青鬼が赤鬼の元を訪れる。赤鬼の話を聞いた青鬼はあることを考えた。それは、「青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる。そうすれば人間たちにも赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう」という策であった。これでは青鬼に申し訳ないと思う赤鬼だったが、青鬼は強引に赤鬼を連れ、人間達が住む村へと向かうのだった。

そしてついに作戦は実行された。青鬼が村の子供達を襲い、赤鬼が懸命に防ぎ助ける。作戦は成功し、おかげで赤鬼は人間と仲良くなり、村人達は赤鬼の家に遊びに来るようになった。人間の友達が出来た赤鬼は毎日毎日遊び続け、充実した毎日を送る。

だが、赤鬼には一つ気になることがあった。それは、親友である青鬼があれから一度も遊びに来ないことであった。今村人と仲良く暮らせているのは青鬼のおかげであるので、赤鬼は近況報告もかねて青鬼の家を訪ねることにした。しかし、青鬼の家の戸は固く締まっており、戸の脇に貼り紙が貼ってあった。

それは「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。ぼくはどこまでも君の友達です」という青鬼からの置手紙であった。

赤鬼は黙ってそれを2度も3度も読み上げ、涙を流して泣いた。その後、赤鬼が青鬼と再会することはなかった。

健 あーまさに影法師だな

宗 うん、これを思い出したな

健 まあ、誰を斬った斬られたとかじゃなくて影法師として自分のために命をはった人に応えるみたいな?命をかけて

宗 でも勘一がしらないままで終わる可能性もあったわけじゃん?まあ真相を知る物語になったけど

隼 あの刺客ね

宗 でも彦四郎本人はどうなったかは知ることはないからな

隼 オレが思ったのは物語のなかでちょくちょく出てくるテーマだけど「武士とは何か」っていう問いなんだよね、オレは彦四郎はカッコつけたかったんじゃないかって思うんだよね

健 そりゃそうよ

隼 うん、勘一は彦四郎には敵わないと思ってたけど、彦四郎のほうが勘一には敵わないって気持ちは強かったんじゃないかな、泳げないのに溺れた自分を助けるために飛び込んだり、万作の死刑のときの決意とかを見て。それで何でもいいから勘一に勝ちたい武士としての矜恃をみせたいと。だから色々考えて泥をかぶるというか、そういうやりかたもあるのかなーって。だからちょっとズルいよな

宗 あの刺客いたじゃん

隼 あの足斬られたやつね

宗 あいつが勘一の前に姿を表さなかったら彦四郎の計画は知られなかったわけじゃん

隼 話を面白くするためだとは思うけど、でもいい役割してたよなあいつ

健 百田尚樹の作品は話が割と分かりやすいから掘り下げるのが難しいところはあるよな、隼はさっき彦四郎はカッコつけたかったって言ってたけど、オレが思うに彦四郎は持って生まれた才能や勘一と比べたら割と恵まれた環境があったじゃん。たけど勘一は自分の行動のせいで親が殺されて何も無いところから這い上がってきた。その強さが羨ましかったんだと思う。で、自分が国の為とか思ってたかは分からないけど、勘一がやったほうが上手く行くとどっかで思ってて、自分のシナリオ通りに勘一の障害を文字通り取り除いてきたわけだ、自分を犠牲にして

隼 無念だけど託すみたいな

健 もしかしたら勘一はそんなことして欲しくなかったって思うかもしれない、でもそうじゃなくて自分の信念に基づいて動いてたと思うよ、勘一の為にとかじゃなくて

隼 なるほどね

健 それがすごいカッコよくてねー

隼 ここでオレ皆に聞きたいんだけど、それは「彦四郎は無念だったか否か」

自分で選んだ影法師としての人生だったけど本心はどうだったのか?どう思う?

宗 オレはもう即答だな、「無念じゃなかった」だね。なぜかって言うと彦四郎が、開拓した田んぼを眺めてたって場面があったじゃん。そのエピソードで自分は表舞台には出なかったけど、目標は達成したなって、だからもう全然無念じゃないでしょ

隼 なるほどね

宗 勘一に会いに行くのも来られても嫌だし。あのシーンで彦四郎の願いは達成したんだろうなって。自分には大きな目標は無いけど勘一の夢を手助けしてそれが何年後かに成就した一部をみて良かったなって。だから無念なんて無いでしょ。そう思ってるよオレは

隼 健は?

健 うーんどうだろう、有るか無しかで言ったら多少はあったと思うよ。どこまでが成功かっていうのは彦四郎にしか分からないけど、多分彦四郎はあれが成功だとは思ってないと思う。自分の一生を犠牲にしたから「ここで満足。オレは死ねる」とは、ならないと思う。最後は病死だし

隼 でも彦四郎のシナリオ通りにはいったわけじゃん?

健 そうだね

宗 いや、むしろシナリオ以上じゃないか?

健 でも、だからといってそれがゴールではないと思うよ。自分が盾となって死んだんなら未練はないってなるかもしれないけど、病死で死んだって点では……

宗 オレはそこまでいってないと思うね

健 と言うと?

宗 彦四郎はある意味未来が見える人だけど、見えてないものもあったと思う。

勘一だったら目標を達成出来るかもって思ってるけど、同じくらい難しい事でもあるって分かってるじゃん?

さっき健が言ってたみたいに病死で夢半ばみたいな感じじゃなくて、自分がどんな死に方するのかは些細なことで、勘一の夢が、新しい田んぼが開けるってこと、スタート出来たってことを確認出来ただけで満足じゃないかって思うんだよね。

だって出来ないって言われてたんだよ?下士が夢見ることで、余裕で潰されてもおかしくない話なのに一部とはいえ達成した。生きているうちには見ることは叶わないと思ってたものを見ることが出来たんだから悔いはないってオレは思ったんだよね。

隼 うーん面白いな

宗 だからさ、泣くよね、読んでてさ

健 凄いよね

宗 今話してても泣けるよね

隼 オレは彦四郎は心残りがあったと思う。それはやっぱ「みね」の存在だと思うのよ。

みねを護りたい、一緒になりたいっていうのが彦四郎の数少ない夢の一つだったと思うのよ。彦四郎は勘一ほど強くなりたいとか国を良くしたいって気持ちはないじゃん?だけどみねと一緒になりたいって気持ちは強かったんじゃないかな。

彦四郎はみねに「どんなことがあってもお前を護る」って言った約束を果たせなかったわけだから、やっぱり未練はあったと思う。

勘一にみねを任せたのも本当は嫌だったけど勘一は親友以上の存在だから、自分の心を殺してみねから手を引いたんだと思う。

だから計画は成功したけどみねのことは心残りだったんじゃないかなー

※ここで宗がトイレに立つ

健 あとこれは読んでる俺らだから一部始終を知ってるけど、彦四郎は自分の計画が勘一にバレたって分かったらショックだったかもね「えーバレたのー?」みたいな、でも0.01%くらいは知って欲しかったかもな

隼 確かに、この話は物語の都合上彦四郎の計画を最後に知ることになるけど知られない可能性もあったわけだよな。そう考えると彦四郎は凄いよな。それにしては虎之丞に技見せたりしてちょっと気づいて欲しそうだったな(笑)

※宗トイレから帰ってくる

隼 この本でオレが感じたのがさ

※ここから隼氏の「昔の人達の生の感覚ってヤバイ」話が続きます。長いのでダイジェストで

・昔の人達の生の密度が凄い

・歴史ものの真剣で斬るか斬られるかの状況にドキドキする

・オレは平和ボケしている

・でもいいだろう平和の何が悪い

・でも自分が戦時中だったらその時の流れに乗って罪のない人を殺したかもしれない

・でも今のオレはそれを怖いと感じている

・昔の人達の覚悟が凄い

・斬るか斬られるかの状況にドキドキする

この10分にも及ぶ酔っ払い特有の迂回、繰り返しの話に宗氏が船を漕ぎ出します

健 まあ、あの本のテーマは「生き様」だと思うね

隼 そうね

店員 失礼しまーす。お会計でーす

※宗氏トイレに行く

隼 いやーそれにしても影法師良かったなー

健 良かっただろう

隼 テンポもいいしな、虫カゴの下りとか対戦試合も面白かったし

健 宗寝てるのかな?

隼 寝てるかもしれんな(笑)

※宗氏帰ってくる

健 寝てなかった宗?ちょっと寝てたでしょ?

宗 寝てない!!

(笑)

健 じゃあ総括して影法師どうだった?

宗 めっちゃいいでしょ

健 それが聞けてよかったよ

宗 オレもう一回読もうと思ったもん。ただオレは甘ったれだから彦四郎にも日の目を見て欲しかったわけよ

隼 彦四郎殿ほどのお方だったらなーもっとなー

宗 あれだったら皆の記憶に残ってるのって若い時はカッコよかったけど最後は落ちぶれただけのやつってイメージでしょ

隼 そうだね

宗 勘一とみねだけでしょ

隼 あと虎之丞もかな

宗 あ、それと刺客ね、その四人だけだからね。彦四郎がいいんだったらそれでいいんだけど

隼 まあだからこの話が面白いってのもあるかもしれないけどね

宗 万作の話とかさ

隼 万作いいよな、一番好きだな

宗 万作いいんだよね

隼 勘一は子供に万作って名前付けたからね。あ、で健、思い出したんだけど健の子供の幹太ってこの話と関係ある?

健 関係ないよ

 あ、関係ないんだ……

隼 オレ絶対関係あると思ってたからずっと言わないでこの時(読書会)のために言わないでおいたんだけど……健が「そうなんだよオレが幹太って名前にしたのはあの影法師の勘一から付けたんだよ」って言うのかなーって思ってたら全然違うんかい!!もうじゃあ今から子供の名前「万作」にしろよ!!

宗 そうだ万作にしよう!!

健 ハハハ、イヤだよ!お前らの子供に付けろよ

隼 オレ絶対イヤだよ、万作ってダサいもん

一同 ハハハ

ーー終了ーー

とても楽しい飲み……いや読書会でした(笑)

ただ次回はもう少しアルコールの回ってない状態からはじめたいと思いました(笑)

次回の課題本はソウジュン氏が選んだ貫井徳郎の「乱反射」です。ソウジュン氏自身もまだ読んでないとのことですが、あらすじを少し聞いただけでも面白そうなので次回もとても楽しみです。