ボクチンは、メリッサの首筋をなで
「ありがと」
「はなれてて」と、避難するようにうながす
メリッサは バサッバサッと2,3度はばたくと ステージのはしに移動する
ボクチンは、ゆっくりと視線を戻すと、そこにゴリッペが立っていた
ゴリッペの背中の向こうで、ニジさんが髪を振り乱しながら 機械の操作コンソールをたたきつづけている
ニジさんがキーを1つ叩くたびに あらゆる種類の感情の波動が、ホールに響き渡る
ボクチンの仲間たちは皆、花道の後方で闘い続けている
スタンドの力を放ち続け、キノコ化の波動をくいとめる部長
巨大な虎の式神?を自在に操り、キノコ人間をけちらす ミコシさん
何度も何度も魔法をとなえ、奇跡のような天変地異をひきおこす なんさん
3人にキノコ人間を近づけまいと、武術の限りをつくす たまねぎさん
負けられない・・・
みんなのためにも
ボクチンは叫んだ!
「ごりっぺ!許さんぞ!! ボクチンたちは」
間髪いれず
「部長 あなたはなぜ、キノコ人間にならないのですか?」
あっさりと、ボクチンの声をさえぎり ごりっぺが冷たい口調でいいはなつ
ええ~~~・・・ちょっ・・・主人公がいいかんじで、もりあげようと しゃべってたのに~
間抜けにもボクチンは、ごりっぺの問いに答えてしまう
「え・・・え~と それ・・・は」
そういえば、そうなのだ
部長がはったバリヤーを一瞬とはいえ、飛びだして 此処まで来たのに
『機械』が放つ
人間の脳に直接反応させ、無理やり変化をうながす波動を
モロにうけたのに・・・
ボクチンは、なんともなっていない・・・
「ん~~~・・・・なんでだろう?」
ごりっぺは、視線をメリッサのほうに向けると つぶやいた
「あの・・・鳥の力なのか・・?」
「まさか・・・」
「いや・・・あるいは・・・」
え・・・えと・・・あるいは?なに?
じゃなくて!
「ごりっぺ!よくもボクチンのアナをキノコ人間に」
だが、またもあっさりと ごりっぺは、さえぎる
「どうあろうが」
「このステージに立ち、私達の前に立ったのですから」
「闘う気は充分ということです」
「もはや、問答は無用ということ!」
・・・って ええ~?また~~~無視~?
主人公の由縁を見せつけないといけないのに~~~
ごりっぺは、ボクチンをまったくほったらかしにして
その力を解放した
バリバリバリッ!!
ごりっぺの上半身の衣服が
急激にふくれあがっていく筋肉の圧力により
ちぎれ、はじけ飛ぶ
体中の肉という肉が、盛り上がり 密度を増し
高純度のパワーが
凶暴なオーラが
もはや、目視できそうなほど あふれだす
ごりっぺは バーで見せた時より さらに 暴力の匂いを圧倒的に増した姿に変態した
「いくぞ!!」
言いたいことも言わせてもらえず、額に縦線をならべ
気落ちするボクチンを
完全にほったらかしにして
ごりっぺは、飛びかかってきた!

つづく