ミコシさんが召喚した龍の力は凄まじかった
バー「なんと」を襲った怪物は50体を超えていたが、ものの2~3分ですべてを呑み込んでしまった
とぐろをまいて満足そうにたたずむ呑龍
「かぁっこい~~~~い!」
ボクチンはリアルドラゴンを目の当たりにして、トランペットを見つめ黒人少年の気分を味わった
「あ!だめ!ドクロッチ!さわったら!!」
ミコシさん、そういうのは、もちっと早くいってほしかった・・・
呑龍はボクチンをチラ見したかと思うと
ふぅーーーーーーん!!と鼻息をふきつけた
「うーー!わあああああああ!!」
鼻息だろうが、このでかさなので、まるでお笑番組で芸人が飛ばされる巨大扇風機のようにボクチンも吹き飛ばされた
「いっ!てええ~~~」
地面にころがされるボクチン
あれ?この感じ、前にもなかったか?もしかしてデジャブ?
「だめだよー、うごいたらードクロさん、怪我してるんだから」
「中はいって、手当するから」
部長に促されてバー「なんと」にふりかえったが
あれだけ揺れていたのに、建物に壊れたところは見受けられなかった
これも魔法の結界がかかっているのだろうか
「ドクロッチ おつかれ~」
「ソファにすわって~」
「部長、たまちゃん ドクロッチをなおしてあげて~」
と、なんさんがすすめるが
ボクチンはミコシさんを見つけると
「ミコシさん!あれ!ドラゴン!!」
「本物!?式神とか!?幻獣召喚とか!?」
「もしかして、オーバーソウル!?」
興奮をおさえられない
「あれは神通力っ!」
「ドクロッチ!すわりな!!」
なんさんが声を荒げる
神通力・・・
神に・・・通じる・・・力!?
マジかっ!!
「ミコシさん!ミコシさんてっ!」
「ドクロさん!!君の怪我はヒドいんだよ!!座りなさい!!」
部長が急に、お医者さんに戻ってボクチンを叱った
なによ~・・・怒ったからって指、ささなくたっていいじゃない・・・
なぜか急にボクチンは落ち込んでしまった
と、同時に脳内に分泌されていたアドレナリンが治まったのであろう
急激に体の痛みが、ぶり返してきた
痛くて立ってられそうにない
「ほら、言わんこっちゃない、見てあげるから座りなさい!」
部長の言葉に、なんさんが「ククク」と笑った
なんのこっちゃ・・・?
いわれたとうりソファに腰掛けようと振り返った瞬間
ボクチンは、なにか柔らかいものに足をとられ、顔面から転んでしまった
「あぃっ!!」
したたかにおでこをぶつけて、目がチカチカするが
なんとか顔をおこしてみると
目の前に今まで見たことがない、とてつもなく恐ろしいものが転がっていた
「ぎいいいいいいいやあああああああああああ!!」
つづく