自作小説 「機械」 承その6 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

アヤさんはいつでも、ふいに居る

いつ来たのか、いつ帰るのかマスターのなんさんでも気付かないうちに、いつもの窓際の席に座っている

そして、常連客と一言もかわすこともなく、なんさんと話すこともなく、本を読むでも、ケータイをいじるでも、編み物をするでもなく、ただじっと座っている

まるで「これが、私の仕事です」とでもいうかんじで座っている


でもまあ、それだけでは目立つことはないのだが

アヤさんのカッコがそうはさせない

今日も漆黒のドレスに純白ヒラヒラのレース胸元の大きなリボン、頭にはキッラキラのティアラ

・・・で、ただ座っている


悟りでも開こうという気なのか?



シーーーーン と静まり返った店内で、なんさんがセッセセッセと調合にいそしんでいた時のこと


カフェ「南斗」入口のほうから「カリカリっカリカリっ」っと音がする

カリカリっ・・・・

カリカリっ・・・・

どうやらペットがドアを開けてくれという時にだす、ひっかき音のようだ


なんさんは、ぶつけてしまわないように、気遣いながらゆうっくりとドアをあけると

そこにはやはり、ネコがいた


まっくろな小さい子猫だ

口には小さな小さな籐のバスケットをくわえている


「あら、いらっしゃい、どうぞ~」

子猫はなんさんの足元をすりぬけると、とっとっとと店の奥まで歩いて行くと

くわえていたバスケットを床に置いた


どうも、ドクロDEATH!


「おとどけもの?」


「ニャッ」


「あ、そうなの」

「きみ、名前は?」


「ニャニャニャーニャ」


「へぇ~かっこいい名前ね」

「ミルクでものんでかない?」


「ニャッ」

「ニャアン」


「ん、そっか、ご主人様が待っているのか」

「ごめんごめん、引きとめて」


子猫はくるりと身をひるがえし、また、とっとっとと出て行った


「またおいでね~」

なんさんが手をふると

「はあ~い」とでも言うように子猫はしっぽを、くりんくりんとふる


子猫がでていったので

カフェ「南斗」はまたもとの静寂にもどった




・・・かのようにみえたが、ちがっていた



かっち かっち かっち かっち かっち


子猫が入ってくるまでは、しなかった音が規則正しく鳴っている

耳に手を当て、音の出所をなんさんがさがしていくと

どうやら、子猫のお届けもののバスケットからみたいだ


「これ・・かな?」

「めざまし時計でもプレゼントしてくれたのかな?」

「私、朝よわいしー」


なんさんがバスケットに手を伸ばした瞬間



ばさばさばさばさ!!!


と真っ黒い影が尋常でないスピードで、なんさんにとびかかってきた!



つづく



次回なんさんの身になにがおこるのか!?

「なん、危機一髪!」の巻き お楽しみに!!