会社にてずっと希望していた部署への辞令が出た。

それなのに、辞令が出た日の帰りの電車で涙が止まらなかった。

 

元々、家から近い勤務地を希望していたので、

今の会社に入社して。

自分の仕事へのやりがいとかより、

子どもとの時間や自分の時間を優先できるように、

仕事内容なんてどうでもよかった。

 

でも色んな人たちに出会って、

今までとは全く勝手が違う業種なだけに、

知的好奇心はすごく刺激されて、

やっぱり私は仕事が好きなんだって気付かせてくれた。

 

だんだん本社でも中枢での仕事に携わるところに流れ着いて、

いつしか子どもとの時間や自分の時間より、

仕事優先の時間を過ごしてた。

この1年半。

 

こんな生活で良いわけがないって思ってたけど、

すごく満たされてた。

必死に夢中で頑張っていた。

それが自己満足であることも、

周りに負担をかけていることもわかっていながら。

 

そんな私を周りは重宝してくれて、

評価してくれて、さらに気遣ってくれて、

受け入れてくれていた。

だからこそ「お子さんとの時間を持てるように」って、

取締役や上司が配慮をしてくれた。

 

必死で頑張って走ってたから、気づいてもらえたことって

すごくある。

でも、あと少しで今のメンバーと頂上に辿りつく手前で、

「もう走らなくていいよ」って言ってくれたことで、

一緒に励まし合って、自分の役割以上のことをこなしていた、

今のメンバーに申し訳なくて。

目の前のことで必死過ぎて、自分の役割や仕事内容を

整理できていなかったので、

どうやって引き継いだらいいのかわからない、

引き継げないと一緒に走っていたメンバーに迷惑がかかる・・・

それに、単純に

 

このメンバーと走りぬいた先の景色が見たかった。

 

これが企業で歯車の一つだとわかっていたけど、

あと3か月待ってくれないか…と切に思った。

ただ、ただ、もう少し今の状況を満足いくまで楽しんでいたかった。

 

こんなに大切に思える仲間や仕事に出会えたことは、

本当にラッキーだと痛感して、本当に感謝した。

 

 

この状況を、友達が、

「やりきって、感謝したら、そのステージはもう卒業だよ」と

いってくれた。

「次のステージが楽しみだ」とも。

 

まだまだロスな状態で、放心状態だった私に、

メンバーの一人は寂しそうに「行け」って言ってくれた。

 

こんなに贅沢な時間たちが、今までに私の人生にあったかな。

経験も何もかも大切にして、

私はみんなと違う道を前に進む。

 

みんなも私が見たかった景色とともに、

私の想像を超える素晴らしい景色を手に入れる。

 

いつか思い出話ができるようになるまで、

それまでこのまま違う道を頑張って進もう。

 

一生ものの貴重な経験をありがとう。