わたしは過去の記憶を思い出すことが、それ自体が悲しく辛く思い出された日は言いようのない暗い重苦しい重りが心臓の中にどしりと沈んでゆくような感覚に襲われます。
その記憶と気持ちは、普段は遠い昔のように感じるように、また、あれはわたしではない違う人物の出来事だったように心の奥底にしまっているのです。
その記憶と気持ちが引き出される時、それは両親からの連絡があった日や、顔を見てしまった時です。
声を聞いたり、今では着信があるだけで、凄まじく心の波は激しく揺れ、実際には心臓が激しく動機し、何事も手につかないほど力が脱力してしまうのです。
指先は震え、今にもすぐ明日にでも、父や母が家のドアの前に立っているのではないかと、不安がよぎり夜も眠れなくなるのです。
そんな日は、お酒を飲んで、わたしを支えてくれた歌を聴きながら泣きながら夜を過ごします。
しかし、わたしがこんな恐怖を日々感じ、耐えていることを主人以外には知りもしません。
今では、全ての両親に関する電話番号を着信拒否にしていますが、それでもなおたまに手紙が届くのです。
手紙が届いたら、封を見た時にわたしの胸の中は激しく揺れ、全てのこれからの予定をこなす力が全て奪われます。
ちょうど、熱を出した時のような感じに似ているでしょうか。
わたしは、逃げても逃げても追いかけてくるゾンビに、ずっとずっと追いかけて回されている感覚に陥るのです。
ゾンビに噛まれた毒がわたしの体に回って、少しずつ足が動かなくなる。
その隙に、両親というゾンビがわたしにたどり着くのです。
そんな日は、全ての予定をこなすのは酷く体力を使ってきました。
本当は、布団を被り、目を閉じて、振り返された不安や悲しみ、暗い暗い闇のイメージが消えてなくなるまで一人で逃げたいのです。
しかし、わたしには子供がいて、家庭があります。わたしが最も恐れているのは、毒親と
わたしも毒親と同じことをくりかえしてしまうこと。負の連鎖をつづけてしまうことです。
少しでも自分の中に、両親から受けた負のイメージと似たようなことを感じると酷く心が落ち込みます。
また、絶対にそれは繰り返してはならないと強い意志を持って生きてきました。
わたしは自分の子供を極力両親に合わせることはしませんでした。負のイメージの連鎖が子供たちに続いて欲しくないからです。
また、自分自身も両親に会いたくないからです。
会う時には必ず、子供を抜きで会ってきました。
しかし、世間の常識に合わせて両親に顔を見せていると、わたしの中には負の力がたまっていくのを感じました。
その為に、不眠症になり、精神安定剤を服用しなければ、日々の生活がこなせなくなってきたのです。