年末年始に、母がこちらに訪れていました。
こちらだと気候がよいから、苦しくなかったとのことで、いろいろ働きまわっておりました。
働く世代なのですよね、68歳。ええ、68歳になりました。


そして2月の末から3月の中旬にかけて、私もまた日本に帰っていました。
ほぼ毎日のように母と会っていました・・・が、やはり一緒にいる時間は苦痛です。
別に食べたくない、行きたくないレストランやカフェに、母のリクエストだからという理由だけで行って、食べなければいけないこととか。
会話もないし、会話するとしても、母がするのは誰かの文句と馬鹿にする言葉だけです。
聞いていて不愉快で、非常に気持ち悪いんです。
あなたが亡くなると私の昔のことを知る手立ては永久になくなるから教えてほしいんだけど、というと、不愉快になって
「そんなの覚えてない、忘れた」と言い、キレて帰ろうとします。

何もかも、何もかも諦めて、自分の時間を無駄にして、不愉快な思いをして、母の言う通りにいしなければいけないのか、と思うと・・・
いいえ、自分の心の狭さも責めてしまいます。
せめて、せっかく一緒に過ごしているこの時間を、楽しく過ごさせてあげるべきなのでは?
私にはどうしてそれができないんだろう?と。
でも、妹も、時々母の言動がたまらなくて、情けなくて泣いてきます。
それを慰めつつ、ほかの人にはわからないんだよと言いつつ、やはりそうだよね、無理だよね
・・・と自分をも慰めます。


行き当たりばったりで、勝手な思い付きをし、丸投げして、人の迷惑を考えないんですね。
なんて言ったらいいんでしょう・・・
一生懸命に母のために動く私たちが、ばかばかしく思えます。


姪は賢くて、母の奇行を嫌っていて
「病気っていうのを盾にして、ずるい」と言い放ち、相手にしません。

私たちもそれができたらどんなに楽か。
でも、実際、もうすぐ亡くなってしまいますからね・・・



愚痴りましたが、
母は先日、検査に行ってきました。

さすがに大きくなっていたそうです。


「69歳になれますか?」と聞いたら
「無理ですね」と、断言されたそうです。

年は越せない、と。



ここまでもったのもすごいことですけどね。


母は、最期の時や葬式には来なくてもいい、とばかり言っていました。


私が次に帰るのは、いつになるでしょう。


帰国したときに、ちょっとした発表会に行きました。
そこでは75歳のおじいさまが、趣味として発表会に参加していました。
68歳からその趣味をはじめ、もう7年。
75歳でステージに立つというのは、本当にすごいことだなぁと思いました。

翻って、うちの母は。
68歳で生涯を閉じようとしている。

75歳でそこまで元気なのは奇跡的なことなのだと。
ありがたさと幸せをかみしめてほしいと、思わずにはいられません。

人生って、運と、奇跡ですね。