小学4年生になったばかりの頃
私は引っ越すことになった。
転校するのが嫌だった私は、学区内であれば引越してもいい、と父に言った。
内見に行く部屋は、住んでいたアパートから近いハイツやマンションで
今より広くなるならこっちの方がいいな。
広くなったらお母さんも帰ってきてくれるかも。
と思っていた。
しかし、結局学区内での引越しは叶わず、私は転校する事になってしまった。
最後の日は、クラスでフルーツバスケットをしたり、寄せ書きをもらったりしてお別れ会が開かれた。
放置子だった私にも、数少ない仲良しの友達がいて、私との別れを悲しんでくれた。
家に帰ってから、本当にもう戻ってこれないんだ、と泣いた。