夫のいない朝。

面倒な朝ごはんも、お弁当も作らなくていい。私にとっては、それだけで十分「平和」な朝。



子どもたちは今日も仲良く並んで登校。
その後ろ姿を見送りながら、「あと何年、こんな光景を見られるんだろう」なんて、ふとセンチメンタルになる。

それに引きかえ、夫。
転職してから出勤時間がどんどん遅くなること1時間半。今や子どもたちと出る時間はほぼ同じ。
なのに、一緒に行きたがる子どもたちの気持ちに応えようとすらしない。

たった5分。
早めることも、遅らせることもできる。
でも「自分を曲げたくない」夫は、絶対に動かない。
私も——動かない。たった5分のことで何も言わず譲らないのは、私なりのささやかな抵抗。

心の中では、子どもたちにそっと謝る。
「ごめんね。でも、パパにこれ以上なつかないで」と、無言の祈りを込めて。