親が離婚した。

その頃にはもう、何年も家に寄り付かなくなっていた父。
相変わらず、女性の影というよりも姿が見えていた。

決して今で言うイケメンなどではない。
なのに何故、父がモテるのか。
とても不思議だった。
同時に複数人はいただろう。
その頃には、商売が軌道に乗って2店舗を構えるようになっていた。

母は、相変わらずだった。
着付の資格を取得したまでは良かったが、それ程の需要があるわけじゃない。
子供の事を考えると離婚は考えられない。
夜な夜な泣く日々が続いていた。

そんな時だった。

2店舗目を任せていた従業員が妊娠した。
父の子だった。
離婚して欲しいと、もう既に堕胎のできない大きなお腹を抱えて実家へ、母の元へ怒鳴り込んできた。

私は、腹違いの兄弟が知っている限り7人はいる。
その内二人は、元従業員で後妻の子供。
後の5人は、手切れ金で追い払った女達の子供だった。

母は、父にある約束をさせていた。
それは、子供関係(先生、友達の母親など)、客、従業員には手を出さないというものだった。

母の琴線に触れてしまった。

それまでは、認知なし養育費一括で追い払っていた浮気相手だったが、話が違う。
相手は従業員。まして信頼していた相手に裏切られていた。
許せなかったのだろう。
母は、離婚を決意した。

これは後から分かった事なのだが、
姉の幼馴染に洋介君という男の子がいた。
近所に住んでいて、保育園が同じだった。
家族ぐるみで付き合っていた。
母親は、店のお針子さんだった為、子供が生まれる前からの仲だった。
この、洋介も実は腹違いの兄弟だった。

それが分かったのは、ぜんちゃんと洋介がお付き合いを始めてしまったからだった。
二人は、当時とても荒れていて家出を繰り返し二人で生活したいと思うようになった。
もうお気付きだと思いますが、ぜんちゃんが15歳で妊娠してしまった。
相手は、洋介だった。

その後、大変だった。

本人たちは産むと息巻いていたが、半狂乱になって止めたのが洋介の母親だった。
そして父も、流産させるのが目的だったんじゃないかと疑うほど姉に暴力を振るった。

その異常な状況に気が付いたのは、洋介の父だった。
問い詰められた母親は、事実を話し私達は、血の繋がりがある事を知った。

姉は、堕胎し父を恨んだ。

ぜんちゃんのその後は、意外にも幸せだったと思う。

両親が許せなかった彼女は、猛勉強し1年遅れではあるが全寮制の高専へ入学。
そのまま専攻した大学を出て、結婚し二人の子供を産んだ。