2018年1月21日(日)放送、フジテレビ系列「Mr.サンデー」
22時00分~23時15分
1月19日、常磐線柏駅で電車に乗っていた女性が、電車内で赤ちゃんを出産した。
SNSなど複数の乗客による情報では、優先席に座っていた25歳の女性が、急に産気づいたということで、車内の緊急ボタンが押されて、乗務員が駆けつけたところ、すでに女性は、赤ちゃんを出産していたということで、出産の際は周囲の乗客が励ましたという。
今回の「Mr.サンデー」では、助けた女性乗客が証言した驚きの一部始終を再現。
一体、柏駅内で何が起こったのか、事件概要をまとめてみた。
19日午後1時30分ごろ。
電車が松戸駅を発車してすぐだった。日暮里駅で多くの乗客が降り、車内はさほど混雑していなかった。
最上都寿美さんは、都内の病院から外泊許可がでた四男(4)を連れ、茨城県取手市の自宅に帰る途中。優先席に座り、ひざの上で四男を寝かせていた。
ふと、隣の女性が気になり、目を向けると、顔を赤くして手すりにつかまっていた。
「大丈夫ですか?」
声をかけると、女性から思わぬ返事が来た。
「陣痛が来ちゃいました」
松戸駅から、次の停車駅の柏駅までは約8分。女性のおなかを触らせてもらうと、まだ張っていない。「3人目なんです」「柏で降りて病院に行きます」など、話もできていた。ところが、柏駅に到着する頃、女性は座っていられないほど苦しみ出した。腰をおさえるように体を反らせ、言葉を絞り出した。
「破水しちゃいました」
くずれるように、床に座る女性。四男の着替えと一緒にバスタオルを持っていた最上さんはその1枚を取り出し、女性の体の下に敷いた。別のタオルを近くの女性客にも渡し、周りから見えないように持ってもらった。
電車が柏駅のホームに滑り込むと最上都寿美さんはいったんホームに出て「発車しないで止めて!」と叫んだ。すぐ車内へ戻ると、バスタオルの上で横座りしていた女性は「もうダメです」と言った。最上さんは覚悟を決めた。元看護助手だが、お産に立ち会ったことはない。「ここで生まれるんだ。なんとかしないといけない」。5人を産んだ経験が背中を押した。
「もう生まれる」と女性が言うと、赤ちゃんの頭が「ポンと出てきた」。
最上都寿美さんが慌てて頭に手を添えると、体もするりと続いた。駆けつけた駅員から毛布をもらい、くるんで抱き上げると赤ちゃんは足をバタバタとさせて「オギャー」と泣き声を上げた。
「生まれましたよ。元気そうです」と伝えると、女性はほっとした様子でうなずいた。
最上都寿美さんは難産が多く、出産に34時間かかったこともある。電車内の出産だったが、思わず女性に「安産で良かったですね」と言葉をかけた。座席に座らせていた四男は黙ったまま、出産の様子を見つめていた。
やがて救急隊員が到着し、母子を病院に搬送した。電車が走り出してしばらく経ち、女性の乗客が「拭いてください」とウェットティッシュを渡してくれた。初めて、ジャンパーが羊水まみれになっていることに気づき、「自分が赤ちゃんを取り上げたんだ」と実感した。
自宅に到着し、長女の桃花さん(20)に話すと、「5人も産めば、次は取り上げる側になったのね」と冷やかされた。最上都寿美さんはこう話す。
母親と赤ちゃんは、駆けつけた救急隊員によっ...
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