ハリケーンその2
毎年、西半球からやってくるハリケーンのために21の名前を「予約」してある気象庁に、ちょっとした問題が起こっている。

ハリケーン「ウィルマ(Wilma)」が発生した後にもし次のものが来るとしたら、名前はどうすればいい?

答え:「ギリシャ文字を使用することになるでしょう」 ナショナル・ハリケーン・センターの職員はこう話した。

これにより、アルファからオメガまで24の名前が追加されることになる。

「8月の時点ではハリケーンの出現予測数は18~21だったので、大丈夫だとは思うんですが。可能性がないとは言い切れません」

そもそもハリケーンに人名をつけるようになったのには歴史がある。

長きに渡り、西インド諸島では出現したハリケーンに対し、出現日に対応したカトリックの聖人の名前をつける伝統があった。例えば1876年9月13日にプエルトリコを襲った「サン・フェリペ」。もし後年の同じ日にハリケーンが現れれば「サン・フェリペ2世」となる。

第二次大戦中に、軍の気象管理部が女性名を用い出すと、1950年WMOが同じく女性名(当時無線コードに使用されていた)をアルファベット順に命名することに決定する。記念すべき第1号はハリケーン「エイブル」だった。

だが気象庁は、これから先2つ以上の「エイブル」が猛威を振るった場合ややこしくなってしまうことに気づき、1953年よりいくつかの女性名をローテーションで使うように変更、さらに、歴史に残るような巨大ハリケーンの名前は「引退名」として今後使わない、などの事柄が定められた。

1979年、フェミニスト団体が「女性名だけを使うのはおかしい。男性名と交互に使うべきだ」と抗議。これを受けて、新たにフレンチ名・スパニッシュ名を取り入れ、男-女-男-女の順に命名することが決まる。

毎年「予約」される名前は21個。q・u・x・y・zの文字は頭文字に使用されない。

6年ごとにローテーションが繰り返されるが、この時「引退名」は省かれる。(例:「ヒューゴ」、「アンドリュー」、そして無論、「カトリーナ」

歴史上最もたくさんのハリケーンが出現した年は1933年で、合計21のハリケーンが確認されたが、その時はまだローテーション制になる前であった。

研究者の中には「地球温暖化がハリケーン増加の原因となっている」と主張するものもいるが、それに関しては多くの科学者は懐疑的なようだ。

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ヒント:数字。