ジャッキス君の父親
(CBS, by Elizabeth Kaledin)近年まれに見る大惨事となったハリケーン・カトリーナの被災地で小さな奇跡が起こった。

9歳のジャッキス・ブラムフィールド君とその家族にとって、ハリケーンを乗り切るなんてことはまだたやすい方だった。

ハリケーンが湾岸に近づいてきた時、この小さな男の子は、生まれつきの心臓障害のためニュー・オーリンズの病院に入院中で、容態はかなり深刻だった。

パニックになる病院、底をつく物資、選択肢を失い、取り残される家族。

「医者から、『できることは全てしたが、こればかりはどうしようもない』と言われました」 父親ウィリアムズさんは語る。

そして運命を告げるハリケーン直撃。病院は、堤防が破壊されたことを踏まえ、風が少し弱くなった時を見計らって患者達を避難させた。そしてジャッキス君に二度目のチャンスが与えられた。

少年はまずバトン・ルージュ、それからアーカンソー小児科病院へと搬送された。先天性心臓障害の治療には定評がある病院だ。

だが病院にあるどの人工心臓も、小柄な少年には大きすぎた。そこでドクターは瞬時に判断を下し、「ベルリン・ハート」といわれる特殊なポンプを輸入することにする。

特殊器具のため連邦医師協会の承諾を得て、ポンプはドイツより一晩かけて、ジャッキス君の命を救うためだけに送られてくる。

特殊ポンプの移植はひとまず成功。容態も安定しているとのことだ。だがこれは緊急措置に過ぎず、ジャッキス君にはこれから長い試練が待っているとドクターは話す。

「彼には(ポンプじゃなく本物の)心臓が必要です。ドナーを探しています…」

ジャッキス君は助かったものの、両親は職を失い、自分たちの家がまだ故郷ニュー・オーリンズで残っているかさえ分からない。だがそんなことは今問題じゃない。両親の願いは一つだけだ。

「もう一度、彼に『ダディ』と呼んでもらいたい。それだけです」 ウィリアムズさんは語る。

ジャッキス君は快方に向かっているものの依然衰弱が激しいという。だが必ず持ちこたえ、将来この大自然の脅威によって引き起こされた「奇跡」の話を家族とすることだろう。

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・゚・(ノД`)・゚・ よかったね、ジャッキス君・・・救いようのないニュースばかりが目立つ(含む大統領の中の人)今回の災害だからこそ、こんなちょっとした話でもすごくほっとします。まだ先は長いかもしれないけど、頑張れ!頑張れ!