アーチボルト・ジョセフ・クローニン 作、夏川 草介 訳。上下巻。

 

とある医師アンドルーの半生を描いた小説です。

 

主人公のアンドルーは、理想に燃えるかけだしの医師。

炭鉱町の医師助手として貧しい環境に苦労しながらも、迫りくる困難をそのたびに乗り越え、

その後活躍の場を転々としながら様々な医師や患者達とであい、時には道を外れて堕落の誘惑に溺れながらも、

苦労や苦悩を重ねながら、人間として医師として成長していく物語。

 

夏川さんらしさが、原書に乗っかっているのか?

逆に、原書から夏川さんが影響を受けたのか?

どちらにしても、この作品と訳の親和性はぴったりです。

医者や医療の在り方を正すだけでなく、

人間としての幸福な生き方を示す、そんな一冊だと思います。

 

新作ハードカバーの上下巻は計4000円と出費がかなり痛かったですが、

でも、買ったことを決して後悔しない、素敵な小説でしたよ。