創立費
この記事には改訂版がございます。改訂版は創立費の取引と仕訳をご覧下さい。
創立費についてお伝えします。
創立費
会社を設立するときには色々な費用がかかります。
具体的には、
- 定款作成費用(定款…法人の決まり)
- 株式発行費(株式会社は株式を発行しなければならない)
- 登記費用(登記…法人を設立したことを記録すること)
などがあります。
創立費の考え方
創立費は会社を設立するための費用です。
普通に考えれば支出時に費用として全額処理するのが当然です(これが原則処理です)。
しかし、創立費には通常と違う2つの特徴があります。
- 多額になることが多い
- 創立費は会社が続く限り効果が続く
この2つの特徴により、例外的な処理が認められることになります。
以下詳しくお伝えします。
多額になることが多い
創立費は多額になることが多いです。
場合によっては全額を1年目に費用として計上すると1年目の利益が吹き飛んでしまうこともありえます。
そして創立費がなくなったあと、2年目以降はきちんと利益が出続けることもありえます。
1年目から5年目までの創立費を除いた利益が各期1,000,000円、創立費が1,500,000円だった場合、支出時に費用として全額処理した場合を考えてみると、
- 1年目…1,000,000円-1,500,000円=利益-500,000円
- 2年目…1,000,000円
- 3年目…1,000,000円
- 4年目…1,000,000円
- 5年目…1,000,000円
となります。
企業の経営成績は1年目~5年目までずっと同じはずなのに、1年目だけ500,000円の赤字で、2年目から5年目まで1,000,000円の利益というのは適正だとは言いづらいところです。
創立費は会社が続く限り効果が続く
会社を設立するための費用である創立費は、本来は会社が続いていく限りずっとその効果が続いていくと考えるのが理論的には正しいです。
そして、会計の前提として「企業は永久に継続していく」と考えます。
すると、永遠に効果が続いていくことになるため、償却はしないということになります。
しかし、これはこれでまずいです。
創立費は会社を設立するための費用です。
売却することはできませんし、そもそも価値などありません。
償却しないということは永久に貸借対照表に記載され続けるということになります。
売却も出来ない、価値も無いものを資産として貸借対照表に記載し続けるのは問題です。
なので、ある程度の期間を決めてとりあえず償却します(これが例外処理です)。
この処理方法の方が適正な期間損益計算を行えます。
創立費の会計処理
これまでの考え方をから、
- 支出時に全額を費用として処理する(原則)
- 繰延資産に計上し、毎期償却を行う(例外)
という会計処理が行われることとなります。
創立費の償却
創立費は、
- 残存価額…0
- 月割償却
- 定額法
- 直接控除法(減価償却でいう直接法)
- 最長償却期間…5年(覚えなければいけません)
となっています。
基本的に無形固定資産と同じです。
この5年という数字に明確な根拠はありません。
この5年という数字は会社法により規定されています。
5年くらいで償却すれば「適正な損益計算を行う」と「貸借対照表に資産ではないものを長期間記載しない」のどちらも納得できる範囲になるという感じで考えて下さい。
また、償却期間以内で償却すれば何年でもいいのですが、検定試験では通常は最長償却期間の5年で償却することになります。