商品有高帳(先入先出法)
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先入先出法で記入する商品有高帳についてお伝えします。
補助簿に対する学習の姿勢などで補助簿については特に覚えることもないし、重視することもないとお伝えしてきました。
しかし、この商品有高帳だけは違います。
理由は、
- 補助簿の中では圧倒的に商品有高帳が出題率が高い(約50%)
- 記入方法や計算が複雑
- 単価を求める考え方が重要
商品有高帳はきちんと学習すべきです。
記述の流れに従って詳しくお伝えします。
商品有高帳(先入先出法)
商品有高帳(先入先出法)のひな形は下のようになります。
売上高 3,000
売上原価 ▲2,120
売上総利益 880
それぞれの取引は以下のようになります。
- 8月 1日 前月繰越 20個 @¥ 70
- 8月 8日 売上 15個 @¥100
- 8月10日 仕入 15個 @¥ 72
- 8月16日 売上 10個 @¥100
- 8月21日 仕入 10個 @¥ 71
- 8月25日 売上 5個 @¥100
- 8月31日 締め切り
売上(払出)であっても必ず原価で記入することが重要です。
単価も金額も必ず原価です。
では、一つずつ記入の仕方をお伝えします。
1.8月1日
まずは日付と摘要を記入します。
そして前月末の在庫を前月繰越として記入します。
前月からの受入高と考えて、受入高欄に記入し、そのまま残高にも記入します。
数量・単価・金額を原価で記入します。
2.8月8日
まず日付と摘要を記入します。
次に売り上げた(払い出した)商品の数量と単価を払出高欄に記入します。
単価は必ず原価で記入します。
この場合は残高の単価が1種類なので、その単価で計算します。
単価が2種類以上のときは、古いものから売り上げたと考えて単価を決めます。
「金額=数量×単価」で金額を計算します。
残高欄は残った数量に単価をかけて金額を求めます。
3.8月10日
まず日付と摘要を記入します。
次に仕入れた商品の数量と単価を受入高欄に記入します。
「金額=数量×単価」で金額を計算します。
この場合、残高欄は単価が2種類になります。
単価が2種類以上のときは、古いものから順番に記入します。
4.8月16日
基本的には2と変わりません。
今回は売り上げた単価が2種類あるので、古いものから順番に売り上げたと考えて単価を決めます。
5.8月21日
考え方は3と同じです。
6.8月25日
考え方は2、4と同じです。
7.帳簿の締め切り
帳簿を締める期日がきたら、売上高・売上原価・売上総利益を求めます。
売上高は「単位売価×販売個数」で求めます。
単位売価が2種類以上あるときはそれぞれ「単位売価×販売個数」で求めて合計します。
売上原価は払出高の金額欄を全て合計します。
売上総利益は「売上高-売上原価」で計算します。
このように記入していきます。
商品有高帳は、他の補助簿と違って少々練習が必要だと思います。
これらの手順を暗記するのではなく、考えながらできるようにしておくことが重要です。
考え方をきちんと理解しておけば暗記に頼ることなく記入することができます。
暗記するのは苦しい上に効率がよくないので、『理解→練習』でいくべきです。