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それは煙草の煙のように消えてしまった。
それは初めての夜みたく消えてしまった。


俺はビルの屋上に上がり、見渡す限りの秋空の中煙草に火をつけた。
火をつけた煙草を吸い込み、吐く。
紫煙を口から吐き出し、秋空を眺める。


ああ、世界がこれほど小さいものか。
俺はそう思って秋空を見渡した。

夏空とは違う憂いをおびた、どこか哀しい空を見上げた。

見渡す限りの秋空に、おまえを重ねた。


一筋の飛行機雲に、おまえへの思いを馳せた。

もう夏のように茹だる暑さを帯びた風も吹かない。
どこかに寂しさを感じるひんやり冷たい風を身に受けた。


こんなにも冷たいものか、秋の風は


遠くで蝉の鳴く音がする。もう夏も終わりに近い。


煙草に溜まった灰をトン、と指先で弾いて落とした。
灰は風に乗り宙を舞う。
風が灰を連れ去ってしまった。


もう夏が終わる。
どことなく寂しい気分のまま、俺は煙草の火を消した。





おまえは知ってるだろうか。
春と秋は繋がるることはないんだ。

俺とおまえの関係のように。



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文法全く無視です。
眼鏡捕手と美形投手。
あの二人大好きです。

でも高校生が煙草吸うなって話ですけど。