還暦を迎えた日、
絶望の地獄の朝を迎えたのでした。
廃人のようになった夫が
足音もなく、のっそりと私の部屋に入ってきて
謝る。
「もういいから向こうに行って」と言うのに
しつこく謝り、ほわ〜とした目線。
私はキレてしまった。
夫を引っ叩いてしまった。
なんでなんで!!!心の中で連呼する。
なんでお前のせいでこんな人生を送らなくちゃいけないんだ!って。
心臓がバクバクする。
吐き気だってするわ。
貧血みたいになってしゃがみ込む。
「だいじょうぶ?」夫の声にむかつく。
オメーのせいだ! 心の中で叫ぶ。
ひとしきりして、夫はいつもの仕事場へ出掛けていく。
一人になって呆然としていたら
ピンポンと玄関がなり、ヤマト運輸。
「外に置いといてください。。。」と呟くが
聞こえなかったみたいで
仕方なくドアを開けてお荷物を見ると
大好きな年下の女友達からのお届け物だった。
可愛い可愛い濃いめのピンクでまとめてくれたブーケ。。。。。
メッセージには
「いつも元気をありがとう! 末長く仲良くしてね、大好きだよー!」って。。。。。
泣くよね。
これは泣く。
髪も乱れ、ボロボロの泣き顔で
お花を花瓶に入れ替えた。
生きる気力が湧いてくる。
それからお友達からポツポツと
お祝いのラインが来て
生きてればこうやって幸せなことあるよな、、、って思う。
友達に電話で愚痴を聞いてもらう。
そうか、みんな地獄を経験してるんだと思った。
でもそこから自分を取り戻し、ニコニコ元気に生きてるんだ。
話している時、曇り空から光が差し込んできた。
苦しい全ては、これからきっと良いことになる。
そう心がキャッチした。
冷え切った体を温めたくて
昼間っからお湯を張って
お風呂に入ってたら
姪から連絡で
今から「さつまいも届けにいくよ」って。
可愛い可愛いわんこも連れてきてくれた。
一緒に散歩しながらおしゃべりしてコーヒー飲んで
「●●(私のこと)、メンタルすごい強いって思った」って言ってくれて
ちょっと嬉しくなったな。
なぜ姪が「メンタルが強い」と言ってくれたのかというと、
数年前の夫の鬱(酷かった)と、夫の実家トラブル(これもかなりひどい)が起きていた時期に
私は私で実父の危篤、天国へ旅立ち、父の相続トラブルも
重なっていたからなのです。
姪には夫の鬱と夫の実家トラブルは一切話していなくて、
初めて打ち明けたわけです。
それで、そう言ってくれたのです。
今日のことは生涯忘れない。
地獄の朝だったけど
周りの人に助けられて生きてるんだと心から思った。
帰宅した夫と
今後の仕事の話をして、
私が担当する部分を増やし、
稼いでいくことを決めた。
自分が一番信頼できるし、
自分は裏切らない。
夫とは助け合って生きていくが、
依存はしない。
私も自立し、共に稼ぐ。
でも人生の目的は「稼ぐ」ではない。