あれから10年が経ったなんて。
あの日、
10日の夜から徹夜で企画書をまとめ、
11日の夜明けとともに寝た。
昼に出かける時、また地震が来たら嫌だなと思った。
(あの頃、頻繁に地震があったから)
午後1時半、横浜にある会社で仕事の打ち合わせ。
大きなテーブルの上に
できたてほやほやの企画書をもとに資料を並べ、
みんなとあれこれ話をしている時だった。
地鳴りみたいな音とともに
ミシミシ建物が揺れ始め、
「あ、地震。。。」みんなで顔を見合わせた。
大抵はこの辺で揺れがおさまるのが、
徐々に揺れが大きなって
誰もが、これはやばいと思った。
女性スタッフたちが恐怖に満ちた顔で
テーブルの下に潜り込み、私は会社の入り口のドアを開け、
閉じ込められないように押さえていたんだけど
もはやドアにぶら下がる感じ。
大きく重たいコピー機が滑って行きそうになるのを押さえる男性スタッフと
「ちょっとなにこれ!!!」と目を合わせて叫んだ。
書類やら本棚やらありとあらゆるものが倒れ、
ビルは恐ろしいくらいに揺れまくった。
グニャリとビルが倒れそうな恐怖。
『まだ死なない!!』
私の脳裏なのか、
魂の叫びみたいが強烈に出た。
『まだ死なない!!』
あの例えようもない、ものすごい強い感情。
声に出したわけではないけれど、
大声で叫んだような感覚。
そのあとは
余震もあるし、
信じられない光景を見て何も言えなくなった。
家には帰れなかったので
仕事仲間の家に泊まらせてもらった。
春の光が暖かくなり始めていたのに
受け取る情報があまりにも恐かったな。