思い出の映画『わが母の記』。
今は亡き母のリクエストで
一緒に観に行ったな。
枝のように細くなった母と映画館をゆっくりと歩いたっけ。
姉は『そんな映画観たら泣きそうで嫌だ』と言って
映画館まで母を送ってくれて
私にバトンタッチした。
映画は本当に素晴らしい内容で、
今でもなんども観てしまう。
風景、言葉、音。
どれも美しくて。
しかも樹木希林さんのセリフや表情がすごいんですよね。
プッと笑える場面も多々あり。
私は、悲しくて泣くというよりも
こんな良質な作品を
母と観ることができて良かったって思いました。
その時に買ったパンフレットのような小冊子。
思い出の品として、私が持っているんですけれど
裏表紙の右下に小さく
母の字で、映画を観た日にちが記されていたのです。
これを発見した時は
嬉しかった。