何度の熱が出ていても、
基本的に病院に連れていってもらえることはありませんでした。
インフルが周りで流行っていても、
どれだけ吐いても、
高熱で朦朧としていても、
薬を飲んだ記憶がありません。
生理痛がひどかった時も、
鎮痛剤を飲むのは禁止でした。
薬や病院はいらない、
母は自然治癒力にまかせていました。
しかし、時には悪化することもあります。
風邪をひき、咳が止まらなくなり、
咳をするたびに最後「ヒューー」という音がするようになりました。
咳のしすぎで息ができず、
何日も何日も苦しみました。
そんな私を見ても、
母は病院には連れていってくれませんでした。
ある夜、夕食を食べているとき、
咳が止まらず、そのまま一口吐き戻したことがありました。
母は、心配してくれるどころか、
キッと私のことを睨み、
「汚いな!」とひとこと言いました。
自分で吐いたものを片付けながら、
どうして私は心配してもらえないのだろうとずっと考えていました。