自身の戦争体験を綴った日記作品です。


水木氏は、実際に第二次世界大戦で徴兵され、パプア・ニューギニアの前線に駆り出されていました。


そこであった銃撃によって、左腕を無くしてしまう様子も書かれています。


現地で書かれた絵コンテが添えられていて、銃撃を受けるところでその絵が途絶えているのが、とてもリアル。


それでも、現地人であるトライ族との友情が芽生え、帰国時には彼らからの引き留めから、現地除隊も考えたとありました。


結局は、軍医の強い説得で帰国を決意。


7年後に戻ってくるとの約束と共に。


その約束は、帰国から23年後に果たされるのですが、その時に撮影された現地人との写真はとてもいい顔をされています。


私は、幼少期にアニメの「ゲゲゲの鬼太郎」に取り憑かれたのですが、DVD boxを見返すと、海外をテーマにした話が沢山あります。


この当時、海外旅行は高嶺の花だったはずですが、こうやって作品に反映できたのも、水木氏の戦争体験があったからと考えると、感慨深い。


その中に「南からの招き」という一話があります。


戦時中、パプア・ニューギニアで消息不明となった父親が、テレパシーで日本の息子を呼び寄せ、再会を果たすのですが、ガマ人と化した父親と共に、現地に残る息子が描かれています。


私には、水木氏の原体験が色濃く反映されていると感じました。


これは、この本に出会えたからこそ、感じることが出来た思いでした。


興味のある方は是非ご覧下さい。